第10話  新しい竹刀

 武道具店の主人は、盛んに高い竹刀を薦める。

自分は、短い竹刀がいいと思うが、薦められるままに少し長めに決めた。

結構な値段である。

ケースもあったほうが良いな。

 本屋ではDVD付きの剣道教本を見つけた。

「うーん、なるほど」

運転席で読んでみて納得する。

「なるほどなあ。そうかあ」

まるで受験生のような熱心さである。


帰宅後はすぐに着替え。

息子の稽古着がそのまま使えた。

昔の合気道の袴も使える。

胴も丁度良い。

小手が傷んでいるが、まあ当分はいけるやろ。

何とか剣士の格好になって来た。

 中川さんが言うてくれてたように

当分は、面無しで行こう。

広志の表情が、普段より少し明るい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る