第3話 関所あらためを抜ける

外から見るとそれほどでもない体育館だが

中に入ると、かなり立派で、清掃も行き届いている。

静かである。それもその筈

体育館の真ん中で車座になって剣士14、5人が瞑想中であった。


 誰にするともなく、一礼してホールのドア手前で待機していると

背の高い年配の剣士が来てくれた。

「はじめまして。益田と申します。

 中川社長のご紹介をいただいて伺いました」

「あーあ、中川さんの。まあどうぞお入んなさい」

出入り口の1番下座で、ぐるりと館内を見渡している

広志に、精悍な道場主のような剣士が挨拶してくれた。

「責任者の高橋です。よう来られた。

 どちらから?」

「はい 高松市の牟礼町から参りました」

「そうかね 牟礼かね。ちょっと遠いけど

 まあ近いもんよ。ワッ、ハッハッハ」

なんやらようわからんけど

とにかく第一関門は通り抜けたような・・・。


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