第2章 理解、精査、課題


 情報の精査が終わり、問題点や課題、そして長所や短所。そういったものを読み取る事、感じ取ることができればあとはそれをクリアする、またはより伸ばすことを選択することができる。だが、ここで間違えてはいけないことはそれが個人で解決できうる問題なのかどうかを見極めることだ。

 たとえば、「私の体脂肪率が20パーセントだという問題があり、健康上の理由からそれを12パーセントまで落とさなければならない」としよう。その課題自体は個人的なものであり、一見、自分だけの問題であると思える。

 だが、それは大きな間違いである。

 この例を、問題点、課題、目標、そしてそのプロセスに分けると、なぜ個人の問題ではないのかが見えてくる。


─まずは問題点を把握すること─


 ただしく問題点を理解できなければ、次のステージに進むことはできない。なぜなら、どうその問題を解決すべきかがわからない、もしくは正しい解決法を取れていないからだ。前述した例にあてはめると、問題点は「私の体脂肪率が20パーセント」であることとなる。だが、問題点はこれだけではない。なぜ、体脂肪率が20パーセントを超えると問題なのかが解析されていないのだ。20パーセントという背景には、肥満や動脈硬化、それに伴う疾患のリスクなどがあると思う。それを考えれば、なぜ私の体脂肪率が20パーセントを超えると問題なのか、その本質が見えてくると思う。

 ここでの問題点は、「20パーセントを超えた体脂肪率により、疾患の可能性が増す。それによってクラブの指揮が執れなくなる」これが最大の問題であり、本質なのだ。

 私は指揮官である。だからこそ、それを物事の中心に考えなければならない。だから、同じ問題提起だとしてもその個人個人によって本質は異なるのだ。この問題を解決すべき人間が私ではなく、選手だったらどうか。

 その選手の体脂肪率が20パーセントということは、それに比例して筋肉量も少ないことが予想される(その場合は別途調査しなければならないが)。そうすれば、サッカーをするうえで必要なフィジカルの強さも、タフさも、筋肉持久力も足らないかもしれない。ということは、その選手はプロサッカー選手として失格。であれば、選手として活躍、または生き残るためにその問題を解決しなければならない。


 この、「問題を精査し、解決する場面」において気をつけなければならないことは、個人によって問題は一緒でもその『本質』は異なるということを理解すること。そして、問題の大きさ、つまり『自らが解決できなそうな問題』を排除しないことだ。






 

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