第4話 彼との出会い
栞とはじめて会ったのは
12年前の夏
悠介はけっこう人気者で
家には毎日
誰かしら遊びに来ていた
いつも開けっぱなしの悠介の部屋の前を通ると
子供たちの楽しそうな笑い声が聞こえてきた
麻耶子は当日17才
高校2年生
既に進路を決めていたので
勉強ばかりしていた
夏休みを終えようとした頃
麻耶子はあることに気が付いた
悠介のお友だちは日によって人数は違うのだが
必ず来ている子がいる
唯一の女子
麻耶子はある日の夜
悠介に聞いた
「悠介のお友だちのなかに毎日来てる子がいるね」麻耶子
「あぁ 栞❓」悠介
「栞ちゃんって言うんだ
あの子可愛いね
悠介はいいう子がタイプなんだね」麻耶子
ニヤニヤしながら言う麻耶子の顔を見て悠介はポカリとした顔をする
「お姉ちゃん
何か勘違いしてない❓」悠介
「勘違い❓……あっ嫌だ……もう
悠介ったら照れなくても良いのに
パパやママにはお姉ちゃん言わないよ」麻耶子
「だから……違うって❗」悠介
「だって
あの子だけ毎日来てるじゃない
一人でも来てるし❗」麻耶子
「あいつは男だよ❗」悠介
悠介のその言葉に一瞬固まる麻耶子
「えっ❓男の子❓」麻耶子
「そうだよ
変な間違えしないでよ❗」悠介
顔を赤くして悠介は小さな声で言った
「そうなの❓
ボーイッシュな女の子かと思ってた
だって真っ白だしおめめキラキラしてるし……男の子だなんて全く思わなかった❗」麻耶子
悠介は麻耶子のことを少しにらんで
「お姉ちゃん 勉強ばかりしてておかしくなっちゃったんじゃないの❓
栞の事を女の子だと思ったり
俺の彼女だと思ったり
おかしいよ❗」悠介
そう言って自分の部屋に入っていった
悠介と麻耶子はしばらくギクシャクした
栞は夏休み前に親の離婚で母親についてこの街に引っ越してきて
はじめてお友だちになったのが悠介で
毎日 遊びに来ていたらしい
二人はその頃から幼馴染で親友だ
麻耶子は今でもあの勘違いを思い出すと笑ってしまう
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