フラワーフラワーフラワーフラワーフラワー

「花のように、優しく生きてもらいたかったから」

フワワワワワワワワワワワワワワッ!!!

一万一億何千何万何億の花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花が、舞い上がる。

視界いっぱいに広がる花花花花花は私の視界と心を埋める。花花花花花の白さが世界を潰す。私を覆う。

花花花花花花花花花花花花花花花花花花花。

ああ、綺麗ああ綺麗綺麗綺麗!!!

「私は、はなぁ」

そう。

私は

「はなああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアっっっ!!!」

響くはラフマニノフの交響曲二番のファンファーレ。高音へ向かう旋律・戦慄と共に咲き乱れる花花花花花。

空高く宇宙、から星星星が落下する。シーソーなんて、必要ない!

桜舞うリノリウムの廊下が、空中分解。

年齢と言う概念を飛び越え、私は花。花花花花花。

私をベッドへ縛り付ける蔦は消えた。

スカートの長さなんて、気にしない!

花花花花花花花花花花花に囲まれて、囲まれて私は!!

目をつぶる。


「さようなら、花」

頭蓋骨いっぱいに優しく響く、声。

「さようなら、花」

この声は、かつての夢で見た、虎の声。

腐った蜂蜜の臭いが、充満する。

共鳴。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る