意識が朦朧とする。

ぐるぐるぐー。

お腹の痛みで目が覚める。

冷たい石をつめこまれたように腹は重く、起き上がることを躊躇する。

目が覚めると独り暮らしの6畳間の、部屋に私ひとり。

嫌なゆめを見ていた。

いや、その前はすてきな夢だった、気がする。星輝く夜みたいな。

幸せだった。確かに、あのゆめは幸せだった。

少なからずとも腹痛を抱えて6畳間に沈む、今よりは、幸せだった。


うすぼんやりとした意識の中布団に潜り直す。シゴトニマニアワナイゾイイノカ。鉛のように鈍い危機感は抱くけれども、ぼんやりとその意識も朦朧とする。

いいんだ、私は、幸せが好き。

幸せであれば、なんでもいい。


お腹がいたいよ。

ならば、ゆめをみよう。


布団の優しい闇は、現実からゆめへと、繋がる。

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