第6話

俺は夜中ベッドの上で手を動かしていた。

所謂、自慰行為だ。

俺の目の前にはエロ本がある。

そこに映っているのは野上に似た少女だ。

狂おしい性欲が俺の中を渦巻いている。

野上には何度も強引に好意を押し付けられた。

正直、俺は野上としたい。

強引に迫られるのは苦手だが、想像の中では野上に強引に迫れる。

相手が嫌がってくれるくらいが調度いい。

俺は、想像の中で何度も何度も野上を犯す想像をする。

が、姉が隣の部屋に居るのが気になって仕方ない。

姉に迫られたら、どうしよう。

今度こそ、俺は起って、興奮して、姉を性的対象として許容してしまうかもしれない。

俺は、野上の方がいい。

野上、野上、野上、野上、野上野上のがみほのか・・・

俺は結局満足出来ぬまま、悶々として過ごした。


「よっちゃんの可愛い」

朝起きると姉がベッドに座り、俺の股間をパンツ越しに触っていた。

俺のモノは朝立ちで硬くなっている。

それを姉は形をなぞるように触っている。

「ね、姉さん、や、止めろよ」

「気持ちいい?」

「・・・・・・」

「気持ち良さそうね、良かった。お姉ちゃん、よっちゃんに嫌われてるのかと思った」

俺のモノは余計に硬くなる。

興奮する。

姉の香りが、姉の存在に興奮してしまう。

でも・・。

「ダメだ」

「よっちゃん?」

「ダメだよ、姉さん」

「・・・・・」


俺は姉を無視して立ち上がる。

そして、存在を強烈に感じながらも、普段と同じように服を着替える。

姉さんのことを気にしながら。


「よっちゃん」

「・・・・」

「ねぇ、ごめんね」

「・・・・いや、いいから、姉さん、遅れるから行くよ」

「うん、よっちゃん、今日も頑張ってね」

「うん」


俺は姉さんから逃げるように朝飯を食べ、家を出た。

野上はまだ来ていなかった。

俺は、野上を待たずに学校に行った。


俺は教室で机に突っ伏していた。

静かに野上が俺の机の前に立ったのが分かった。

俺は机から目を上げられず、そのままの状態でいた。


「鴨志田君、今日は大丈夫だった?」

「ああ」

「良かった、お姉さんに聞いたらもう出たっていうから心配したんだよ」

「大丈夫だよ、俺は男だよ」

「ふふっ 男だからだよ」

「・・・・・野上、話があるんだ」


俺は野上を連れて、野上が俺を痴漢した場所、屋上への踊り場へと行く。


「なに?話って」

「お前、俺が好きなんだよな」

「え、う、うん、好きだよ」

「俺もたぶん好きだ」

「・・・・うん」


俺は強引に野上に抱き着き、押し倒す。


「いや、ちょっと、待って!」

「野上、野上野上野上」


俺は胸を揉む。


パンッ

野上に叩かれた。

野上が涙を浮かべている。


「な、なんで・・・」


俺は呆然として言った。なんで、泣くんだ、野上。


「馬鹿!」


野上は俺を逃れるようにして、走って行ってしまった。


何が何だか分からなかった。俺は何か・・・・・。

俺は混乱した頭を覚ますために屋上に出た。


俺が膝を抱えて壁に寄りかかっていると、一人の女生徒が声を掛けてきた。


「な、何やってるの?」

「・・・・・・」


こいつは確か同じクラスの黒木だ。

眼鏡の大人しい奴で今まで話した事もない。


「別に・・・・黒木さんには関係ないよ」

「ま、まぁ別に良いんだけどね・・・」


黒木は焦ったように言うと所在なげに俺の周りを行ったり来たりする。

俺は、黒木の大人しそうな、人が苦手そうなところに欲望を覚えた。


「なぁ、黒木、触っていいか?」

「え・・・、お、・・・おう」


最初は遠慮がちに、黒木が嫌がらないのを見て段々と遠慮なく。

俺は黒木の体を弄る。

黒木も俺を弄る。

次第に興奮状態が極限になってきた。

俺は黒木の手を掴み、俺の股間の上に移動させる。


「撫でてくれよ」

「うん」


黒木は必死になって俺の股間を撫でまわす。


それはすぐだった。

全ての俺の混乱を消してくれるような開放感と快感が俺を支配した。


俺はズボンの中で出した。

後で気持ち悪いだろうな・・・とか、どうでもいいことを考えながら。

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