第5話
最近、姉の行動が怪しい。
鴨志田妙子、3歳違いの姉だ。昔から俺に優しくて、美人で、優秀で、自慢の姉だった、だったのに・・・。
姉さん何やってんだよ。
さっきから俺のパンツに顔を埋めて、しかも俺の部屋でオナニーとか。
ああ、そりゃこの頃俺のパンツがなくなるわけだわ。
俺はドアをトントンと叩いた。
「あら、お帰り、よっちゃん」
「・・・・・」
「興奮した?」
「いや、全く」
姉はちょっと驚いた顔をすると再び俺のパンツに顔を埋めた。すーはーすーはー
「姉さん、いい加減出てってよ」
「いいじゃない、たまには姉弟の語らいも必要でしょ」
「だったら、俺のパンツ返してよ」
「うーーん、じゃ、よっちゃんが今履いてるの頂戴」
「・・・・・はっ」
俺は姉に恐怖した。それは本当に一線を越えちゃってるだろ近親とかそういう方面じゃなく、主に変態の方面で・・。
「姉さん、俺悲しいよ」
「もう、冗談よ、またまた、本気にしちゃって」
そう言いながら姉はパンツをポケットにしまった。
「・・・・・・」
「ほら、こっちに寝なさい、姉さんがマッサージしてあげる」
「いいって、出てけよ」
そう言うと、姉は微笑んだままドスの効いた声で言った。
「お姉ちゃんが、優しく言っている間に言うこと聞きなさい」
「・・・はい」
俺の上で、姉さんが鼻息を荒くして背中を弄っている。
いや、別に姉にこうされても怖くはないんだけどさ、気持ちいいし。
でも、性的に興奮はしないよな。最近野上の積極的な乳アタックにも慣れて来たし・・。
「じゃ、今度は仰向けになって」
「・・・・・」
俺は素直に仰向けになる。顔を赤くして興奮する姉さんは・・・まぁなんというかだ・・あれだな・・昔の凛々しい姉さんの方がやっぱいいかな・・どうでもいいか。
「あれ?」
姉さんが俺の股間に手を置いて驚いた声を出した?
「よっちゃん、不能だったの?弟はすべからく姉に欲情するもんでしょう!!」
姉さんは呆然とした顔をして俺の股間を弄り回している。俺の方がびっくりだよ、姉さんがそんな認識もってたなんて。
段々、遠慮がなくなってきた、あ、起っちゃいそう。
「お姉さん!何やってんですか!!!!」
突然、野上が部屋に入ってきた。なんで野上がここに?
「なんで、お前ここにいるの?」
「そうよ!」
姉さんが吠える。
「こんなこともあろうかと、電柱から監視してたのよ!」
それじゃ、ストーカーというより変質者だよ野上。
「なに?なんなの?この変態女は、よっちゃん!!」
「変態はお姉さんです、姉弟で汚らわしい!!!」
「まぁまぁ」
二人の女が俺を求めて争っている、「私の為に喧嘩は止めて」とか言えばいいのか?
数十分の間、俺の部屋で姉と野上は「変態」「変質者」「ストーカー」とか言い合っていた。
二人が息切れ起こした後、喧嘩は一応終わったようだ。
微笑み合う二人、うんうん、喧嘩して友情が芽生えたんだね変態同士。
でも、どうでもいいから二人とも出てってくれないか?
「ところで、鴨志田君が不能というのは本当なのですか?」
「そうなのよ、私がいくら触っても勃起しなかったの」
「困りましたね・・・」
「ちょっと待て野上、なんでお前それ知ってんだよ」
野上は勝誇ったよに胸をそらして言った。
「愛の力よ」
姉は部屋中を見まわしてから、冷めた声で言った。
「これでしょ、盗聴器」
「それより、鴨志田君の不能の方が問題よ!!」
野上が怒鳴った。
「うん、そうよね、よっちゃんの健康の方が大事よね」
「はい、私もそう思います、お義姉さん」
「野上ナニちゃんって言うの?」
「ほのかです」
「じゃ、ほのかちゃん・・」
姉さんが言い終わる前に俺は逃走した。
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