第4話
「総理、ご決断を!」
「総理!」
「総理!」
「うーーーーむ」
総理と言われた男がうなる。
「しかし、フェミニストの女性議員がうるさいですよ」
「しかし、男にも人権はあるべきです」
外務大臣がフッと笑って言った。
「これは、国内だけの問題じゃないんだよ。女たちは外国籍の男達も平気でレイプしてるんだ。こんなことが海外メディアに流れたら我が国は・・・」
「・・・・」
「フェミニスト団体は何と言っているんだ?」
総理が聞く。公安官僚が答えた。
「連中は、女は男を犯す権利を持つべきだと言ってます。妊娠のリスクを負うのは女性なので、男には利益しかないのだから、このままでいいと」
「まぁ少子高齢化だしね・・・」
「しかし、男にも人権が・・・」
「レイプ被害者が自殺したって話もありますよ、ニュースにはまだなってないけど」
「まぁレイプとは法的に言えないしな」
「強姦罪を女性に適用するというのはちょっと・・・」
「幼い男の子も狙われてるんだぞ、婆どもに」
「うん、それは現在の刑法で対応可能ですし」
「まぁそうだな・・・」
「・・・・・」
総理が咳払いをして、皆の注目をこっちに向ける。
「例のアレ、ホラ、ああ、理化学研究所の調査はどうなんだ?結果は」
文科省役人が答える。
「どうも、新種の寄生虫らしいと・・・」
「本当か」
「じゃ、虫下し飲めばいいのだな!」
「いえ、脳に寄生するタイプなので、虫下しでは処理できないかと・・・」
文科省役人が申し訳なさそうに言う。
「じゃ、どうすればいいんだ?」
「いや、ほっといたらどうですか?だって、ほら、少子高齢化だし、ねぇ」
「まぁそれもなー一理ある」
「経済効果大きそうだもんな」
「イガノミクスは成功だったと世界に発表できますよ総理!!」
「うーーーん」
総理がうなる。
「だから、男にも権利はあるっていってるだろ!」
閣僚の一人が怒鳴った。
「だからさぁ、冷静に考えろよ、メリットしかないだろ今回の事は」
「女がただでやらしてくれるってんならやらなきゃならん。日本男児なら、据え膳食わねば高楊枝だっけ?」
「いや、そういう問題じゃなく」
「うーーーーーん」
結局、私鉄各社の女性専用車両を男性専用車両にするよう通達が出ただけだった。
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