第358話チゲ鍋の来襲(2)

「いま開ける」

と言って、ドアを開けると、怒り顔の美紀。


美紀

「ほら、どいて!」

いきなり怒られ、鍋を持ってズンズン中に。

俺の部屋だって言うのに、「なぜ怒られる?」と思ったけれど、ここで抵抗は危険だ。


そして美紀は、また怒った。


「ねーーーー!」

「何?この部屋!」

「脱ぎっぱなし!」

「もう!洗濯機に突っ込む!」


その後も凄まじい。

「本を片付けて!」

「変な本はチェックする!」

「パソコンつけっぱなし!」

「どうせアヤシイサイトばかりでしょ!」

「このフラチもの!」


「・・・自分の部屋で何をしようと・・・」と思ったけれど、怖いからここでも無抵抗主義。


美紀の「理由がわからないお怒り状態」は、カレコレ15分続いた。

それでも、部屋を含めテーブルの上は、「食べられる状態」に改善。


チゲ鍋をつつきながら

美紀

「ね!私の指示がいいから、短時間でこうなる」

「あんたなんかに任せていたら、何日かかるかわからない」


「文句ばかり」

「どうして?そんな関係?」

と言い返すと


「うるさい!」

「あんたのことが心配なの」

「文句言ったら、辛味増すよ」

と、簡単に撃沈せしめられた。


「いつかお礼する」

ここは「神妙な態度」が無難だ。


美紀

「いや、いつかではだめ」

「食後すぐに」


「え?」


美紀

「ふふん!」


すごくヤバイと思った。

これは、絶対に何かをたくらんでいる。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る