第357話チゲ鍋の来襲(1)

雨降りが続き、暖かったり寒かったりで、とうとう風邪を引いた。

せっかくの日曜日なのに、結局、今日も降っている。

それだから、なかなかベッドから出られない。


「どうせ、出かけないんだから」

と思って、二度寝。

なんと気持がいいことか。


起きたのは10時。

「さて、飯の材料もなく」

そうかといって、また寝るのは、寝すぎだと思う。

デリバリーピザを頼むにも、それでは量が多すぎるし高い。

そんなことをボンヤリ考えていると、スマホにライン着信履歴あり。


見て驚いた。

「チゲ鍋食べよう」

アパートの隣に住む美紀だ。

何だかわからないけれど、最近挨拶したら、仲が良くなってしまった。

お互いの部屋を行き来する。

しかし、まだ「関係とか」にはなっていない。

それは美紀の性格に、自分が引いてしまう。

とにかく、文句を言い出すと、「ず~っと」言うのである。

それでも機嫌がいいと、楽しい。


少し面倒と思ったけれど、まあ、寒い日だからいいかなあと思った。

また文句を長々と言われても困る。


それで、

「お昼?夜?」

と確認のライン。


すぐに返ってきた。

「あのさ、さっさと返信して!」

「もう材料準備した」

「襲いに行く、許さん!」


しかし、考える暇はなかった。

即座に、チャイムが鳴っている。




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