第252話階下の圭子さん(2)

「ねえ、大丈夫?」

圭子さんが、近寄ってくる。

「あ!大丈夫です、気にしないで」

もう、必死に起き上がろうとするけれど、背中がすごく痛い、どこか切った痛みもあるし、腰もシタタカに打ったようだ。

起き上がりながら、つい「イテテテ」となる。


「全然、大丈夫じゃないね」

圭子さんは、心配そうな顔。


「いやいや、あの、ちょっと」

とにかくアルバイトをして、金を手に入れなければならない。

そうしないと、食べるものを手に入れることができない。

それに、圭子さんに、これ以上恥ずかしい姿は見せたくない。


・・・しかし、起き上がり、圭子さんの前から姿を消そうとした時


「ねえ、背中破れてるよ」

圭子さんから、冷静にして的確な指摘である。


「え?」

となると、また我が部屋に戻り、着替えなくてはいけない。


「それにさ、背中から出血してる」

「まずは、手当をしないと」

圭子さんは、いきなり俺のシャツをベロンとめくり、傷をながめている。

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