第240話瓦礫と涙
大地震の後、数多の崩れ落ち、ほぼ瓦礫の山と化した住宅を掘り返した人の話。
「本当にひどかった」
「もし、この中に人がいても、生きてはいないと思った」
「それでも、瓦礫を除去している時にね」
その人の目に涙が浮かぶ。
「まず見えてきたのは、女の人の背中」
「もちろん死んでいるけれど」
「血痕が黒くてね、背中いっぱいに」
目から涙がこぼれてきた。
「なんとか引きずり出したら・・・」
「小さな女の子を抱いているのさ、背中でかばってね」
「女の子も、懸命に女の人の胸に顔をつけてさ」
「もうこれ以上は・・・」
その人は、顔をおおって泣き出してしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます