第238話不思議な光君(4)

母上は、すぐにわかったようだ。

モジモジするしかない私に厳しいお言葉。


「おそらく、そういう香りを身にまとう人に関心を持ったんだと思うけれど」

「あなたにはまだ無理」

「沈香の香りに気づきながら、カレーパンの香り?そういうところが・・・・」

母上の説教は長く、私にはメチャ冷たく厳しい。


それでも途中から流れが変わった。

「で?女の子?男の子?」

そんなことを聞いてくるものだから、恥ずかしいから黙る。

しかし、それも見通された。

「黙るというのは、男の子だね、あなた学校から直帰だし、同じクラス?」

まあ、家の中に推理探偵がいるようだ。

ほんとズバリズバリの母である。


「うん・・・」

こうなると私も神妙である。


「でも、面白いなあ、そういう感性の男の子がいるんだ」

母上の顔は、ようやくホッコリした。

そのうえ光君(絶対名前は教えないけれど)にも興味を持った様子。


「それじゃあね。これ、チャンスを見て渡してご覧?」

母は、袋を取り出し、何かお香を詰めて私の手のひらに。


「う・・・いい香り・・・」

そう思った途端


「これ渡して、この家に来なかったら、あなたの魅力がないってこと」

ホッコリ母は、いきなり鬼母に变化した。

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