第233話憧れお兄さん

毎朝、電車でご一緒になるお兄さん。

名前も知らないけれど・・・けっこう美形

制服からして、あの超名門学園。

いつもキチンと着こなして。

でも、声なんかかけられない。

いつも、お兄さんの周りには、可愛いお姉さんばかり。

私みたいな子供っぽい女の子なんて絶対無理。

顔も子供で・・・それ以上は恥ずかしい。

一つ違うだけで、こんなに?


でも・・・ほーんとに・・・ほーんとに時々、目が合うの。

その時は、

「やった!ついに!」

って思うけれど、それだけ。

そこで終わり。

なーんにも、なーんにも・・・なし。



今日こそ、今日こそ・・・見つめ返す!って思った。


でも・・・見てくれない。


それより何より・・・いったい何?

今日のお兄さん!呆れる!


うーーーー!

可愛くてキレイなお姉さんとお話・・・

しかも!

どうしてベッタリ?


憧れは・・・憧れのままかな・・・

どうせ、話もできないや。


もう決めた!

さっさとお家に帰って、泣くことにする!



・・・でも、明日も会えるかな・・・


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