第231話鬼のくれた鬼女(2)
「え?美佳?何?」
美佳に聞くけれど、美佳は本をズイと真ん中に引き寄せる。
そして
「さっさと読む!私に気づかない鈍感男!」
どうやら、いつもにもまして機嫌が悪い。
仕方ないから、素直に読み続ける。
長谷雄は、勝ち続ける。
怪しい男は、しばらくは普通の人間の姿をしていたけれど、負け続けるとついに本性が出てしまった。
まさに、鬼の姿そのものになってしまったのである。
長谷雄としては、「怖いなあ」と思うけれど「負けさえしなければいい」と考え、必死に打ち続けると、結局勝ちきってしまった。
すると鬼は諦め、人間の姿に戻った。
「しかたない、負けました、賭物については、しっかりとお支払します」と言って長谷雄を朱雀門から降ろしてくれた。
長谷雄としては「いや、危険なことをしてしまった」と反省をするものの、「賭物の女」も気になる。
そんな半分は信じてはいないものの、生来の好き心もあり、女の部屋の準備をしたりする。
そうこうしているうちに、夜もふけた。
異様な雰囲気を感じていると、怪しい男がやってきた。
そして連れてきているのは、目もくらむような絶世の美女。
長谷雄は
「この女ですか」と驚くと
怪しい男は
「賭物の支払いにつき、その通り」
「ただし、抱くのは必ず百日後、それ以前に抱くと不本意なことになります」
と述べて帰っていった。
・・・ふむふむ・・・と、一呼吸をしていると、
美佳は、俺の頭をポカン。
「さっさと続き!」
まだ、機嫌が悪い。
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