第101話新聞部史の事故入院(3)

学園内の生徒たちは、史をひき逃げした「組関係者と組」に対して、「正義を貫こう」という意見で一致するものの、どうにも学園の理事長や、本来犯罪捜査を行うべき地域警察が、動きを見せない。


「要するに泣き寝入りしろってこと?」

「報復を恐れているってことだね」

「それは、私たちだって怖いけどさ」

「でも、それじゃ、史君が可哀そうすぎる」

生徒の中で、そう言う声が高まるけれど、なかなか事態は進まない。

そのうえ、もっとひどい情報も入って来た。


「史くんが運び込まれた病院がね、怪我の原因を、史君が自分で転んだことにしているみたい、病院の中に知っている人がいるから聞いてみたんだけど」

「院長先生も、組からの報復を恐れているのかなあ・・・」



「・・・そうなると・・・」

「事実を積み上げるしかないね」

「事故現場の近くの家に聞き込みとか」

「三輪車に乗った女の子と、そのお母さんとか」

生徒たちが、相談していると厳しい顔をした担任が入って来た。


「あなたたち、私も闘うから」

「理事長が、とにかく隠蔽工作って言っているから、反発したの」

「生徒を護れない、正義を守れない、ヤクザに頭を下げるって何事ですかってね」

「そしたら、理事長が処分するって、脅かしてくるから」

「なめるんじゃないわよ!」

「理事長に言われたことも全部録音した、理事長は知らないけど・・・」


他の先生たちも、理事長の態度には不満を覚えていたらしい。

史のクラスに、先生たちも数多く入って来た。

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