第16話 教会のトイレ、登場
異世界のトイレから――
今日は、教会にあるすごいトイレのご紹介です。
♪チャラッチャッチャッチャチャーララー
――――――――――――――――
提 供
カ ク ヨ ム
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♪チャーラー ラー
視界は真っ暗。体はまったく動きません。
わたし、このまま死んでしまうのでしょうか……それは嫌です!
この世界には、まだ見ぬトイレがたくさんあるというのに!
せめて、この教会のトイレだけでも……!
「神よ、この者に今ひとたび命の息吹を与えたまえ」
チャーラーラーラ チャーラーラー♪
これは、のんさんの声でしょうか。
お、目が開きましたよ! 体も動きます!
わたしの視界には、修道服を着てお祈りをしているのんさんの姿。
隣にはまだ倒れたままの神父さん。ここは……先ほどの大聖堂ですね。
すぐそばには神様の像と、その正面に綺麗な祭壇がありました。
「神よ、この者に今ひとたび命の息吹を与えたまえ」
チャーラーラーラ チャーラーラー♪
ふたたびのんさんがお祈りをすると、神父さんの目が開きました。
なるほど、これは蘇生のお祈りだったんですね。
教会は蘇生ができる場所。
だからこそ殺しても大丈夫、ということなのでしょう。
BGM ♪♪おい海苔、お祈りだ!
神父さんがむっくりと起き上がりました。
何やら怒っている様子。それはそうでしょう。
いくら着替えを見てしまったからって、これはひどすぎます。
「こりゃ、のん! なぜ白の下着をつけておらんのじゃ!!」
あ、怒るのそこなんですね……。
「……殺すぞ」
のんさんも、もう殺さないであげてください。
そう思いつつ、わたしは気になったことを聞いてみました。
――神父さん、修道女の下着は白っていうルールでもあるんですか?
「いいや、わしの趣味じゃ!! 白こそ至高!!」
言い切った!
うーん、のんさんにはピンクがすごく似合うと思いますが……。
あ、のんさんがモーニングスター構えてる。怖い怖い。
――あの、のんさん。いくら何でも殺すのはやりすぎだと思うのですが。
「……日常茶飯事」
――え!? そうなのですか!?
神父さんに尋ねると、グッと親指を立てています。
部屋に入るとき、せめてノックするくらいすればいいのに。
「孫娘の成長を見るのは、祖父の使命じゃからのう。げへへ」
ああ、この神父さん。ただのスケベじじいでしたか。
のんさんはというと、あきれ顔でちょこんと祭壇に腰かけました。
ん……? 祭壇に……??
祭壇って、座ってもいいものなのでしょうか。
バチ当たりな行為って感じがしますけど。
「これ……祭壇じゃない」
え、祭壇ではないんですか?
でも神様の像の正面にある台っていえば祭壇……って。
そういえばのんさんが座ったところ、台の中央に穴が開いてますね。
その穴、ちょうどお尻がすっぽりとのっかるほどの大きさで。
しかも隙間から奥をのぞくと、何やら水がたまっている様子。
あれ? これ、何かに似ているような……??
「これ…………トイレ」
ああ、なるほど! 確かにトイレですね!
って、トイレ…………、トイレ…………?
えっと、ここ、大聖堂ですよね??
なんでこんなところに――
トイレがあるんですかああああああああああっ??
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