第4話 魔王インタビュー
異世界のトイレから――
今回は、魔王と一緒に連れションです。
♪チャラッチャッチャッチャチャーララー
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提 供
カ ク ヨ ム
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♪チャーラー ラー
さて、魔王の尿は臭いとのことでしたが、真っ黒なことも含めて何か秘密があるのでしょうか。せっかくの機会なので、そこのところをうかがいたいと思います。魔王にインタビューだなんて普段は恐ろしくてできないでしょうが、そこはトイレに不思議な魔力があるのでしょうか。何となく話せそうな気がしますね。
――魔王さん、なぜおしっこが黒いのでしょうか?
「ほう、余のことに興味があると申すか。人間のくせにたいした心がけではないか。いいだろう、余の尿の秘密を教えてやろうではないか」
――本当ですか? ぜひお願いします!
BGM ♪♪魔王
「実はな、余は毎日イカスミを飲んでおるのだ。1リットルな」
――イカスミを? 1リットルもですか?
「ああ。絶対に真似するでないぞ。まずいからな」
――まずい……味は想像通りですか。陰で苦労なさっているんですね。
「貴様……、話がわかる人間だな! そう、余は魔王らしさを維持するために、とてつもない労力を払っているのだ。イカスミを飲んで体の内側を黒くするとともに、日焼けサロンの機械で日夜日焼けをしておる。実は本来、余の肌は恥ずかしいことに真っ白けなのだ。魔王というのは魔王の間から出られぬからな。普段は引きこもっているのと何ら変わらぬ」
――散歩もできない生活なのですか?
「その間に冒険者が来てしまったら、申し訳がないだろう。魔王がでかけていたとわかったら、そやつの冒険が台無しになってしまうことこの上ないからな。今まで何のためにレベルを上げてきたのか、その努力が無に帰してしまうのは、余としても喜ばしいことではない」
――優しいんですね。
「な、何を言っておるのだ! 余は魔王なのだぞ!!」
魔王はおしっこを続けながらも照れているようです。
先に小便が終わった私は、いちもつをズボンの中にしまうと、手を洗った後で魔王にふたたび質問をすることにしました。
――私もその冒険者のひとりですが、殺そうとは思わないのですか?
「貴様は礼儀正しい冒険者だ。戦う意味がない」
――礼儀正しい? 普通だと思いますが……?
「冒険者は全員クズだ。あやつらは魔王城にトイレがあるとは思わないのか、廊下だろうと客間だろうと構わず用を足していく。まるで野蛮人そのものだ。この前なんか空っぽの宝箱を回収していたら、小便だけでなく大便まで入っていたのだぞ! せっかく宝を用意してやったというのに、この仕打ちは何だ!」
――それはそれは……。確かに冒険者はみんな、魔王城にトイレがあるだなんて思ってもないでしょうね。すみません、人間を代表して謝らせて下さい。
「よい。貴様が悪いわけではないからな。むしろ貴様は、こうしてきちんとトイレで用を足してくれている。しかも余の部下と同じように綺麗に使ってくれて、余は感激しておるぞ。……人間の中にも、貴様のようなやつがおるのだな」
――そんな、大げさですって。
「もっと早く、貴様のようなやつに逢いたかった。そうすれば、魔物と人間の戦争など起きなかったかもしれぬというのに……」
まさか、トイレからこんな話にまで発展するだなんて。
トイレに隠れた闇は、以外と深いようですね。
深いと言っても、ボットンではなく水洗式ですが……。
あ、魔王さんが笑ってくれてる。
こんなくだらないジョークなのに。
本当に優しいんですね……、魔王さん。
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