第四話 マジで名前が登場しない

異能。

それはこの世に存在しているが、原理の全くわかっていない力だ。特徴としてはまず、魔力を使わない。基本的に、精霊魔術など外の力を使い攻撃などをするものは例外として、魔法とは己の中にある魔力を使い、形成するものだ。

しかしこの異能は、全くなんの力を使い、これを行使しているのかは分からない。歴史的背景として、大昔に悪魔の力として恐れられていたため、研究があまりなされていないのだ。


しかし、これだけは綴っておこう。異能力者は敵にしない方がよい。


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「決闘よ、決闘をするの!」


金髪碧眼の少女がキンキン声でわめき散らす。


め、めんどくさそうだなぁ…。どうやらこの少女、さんざん無視されたため、怒っているらしい。サクラと話している時に『ちょっと』だの『聞こえてんでしょ』とか『ぞ、ぞんなむじじなぐでもいいじゃないのよぉ(泣)』と聞こえて来たのだが無視し続けたら、泣くのを止めて今度は怒り始めたらしい。

しかも決闘とか言ってる。


「決闘?本当にやるの?あれ、負けたら相手の命令をなんでも聞かなきゃいけないんだよ」


「そのぐらい知ってるわよ!子供扱いしないで!」


「そうはいってもなぁ」


そう、彼女はとても身長が低い。140行くかどうかのレベルで身長が低い。それに対して僕が175位だから身長の差が大きいのでどうしても子供扱いみたいになってしまうのだ。深層心理って怖い。


そんな風にどうでも良いことを考えていたら、彼女が決定的な一言を言った。


「私が勝ったら、この隊の団長を私にしてもらうわ!」


その言葉を聞いて僕は…………………………………震えた。

僕はこの第六騎士団の団長であることを誇りに感じている。なぜなら、彼女から受け継いだ席なのだ。当然そこに座るということに対してプライドを持っている。


だが、


「決闘なんかしなくても譲ってやるよぉぉおお!!」


「な、何なのよ急に!び、ビックリするじゃない!それより何なのよ決闘しなくていいって。私はあんたをボコボコにしたいだけなのよ!この神に選ばれし転生者である私を蔑ろにした罪を償わせる為にね!」


毎日毎日都市外に遠征に行き、道中絶対に団員がトラブルを起こしそれを僕がカバーする。帰れば最愛の嫁が居るが、そこにたどり着く前に死にそうな日々に僕はうんざりしている。もう、嫌なんだよ。嫌なんだ。この立場を止めることが出来るなら、プライド何かくそ食らえ、だ。この申し出は願ってもないチャンスだ。このビックウェーブに乗るしかねえ……!


「あれ、今なんか言った?」


「こ、この男は……!だからねぇーーーーー」


彼女が何かを言おうとしたとき、いつの間にか直っていた部屋のドアがバンッと開き、シスター姿の若い女が出てきた。その女はおもむろに口を開き、


「団長!やめないでください!お願いします!」


そう、いい放った。

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