小峰エリカ
最近、クラスメイトの様子がおかしい。この前まではうるさいくらいに騒ぐムードメーカー的な存在だったのに、ある日から途端に落ち着いて、なんだか難しそうな本を読むようになった。明らかに無理をしているのは分かってる。だから何かがあったに違いないと、私は勘付いている。
彼の名前は有馬タケル。私の好きな人。噂によれば幼馴染の女の子の事がずっと好きらしい。でもその子がどんなに可愛くたって、私には敵わないだろうなって思ってる。だけど…
「めちゃめちゃ可愛いじゃんか!!」
「でしょ⁉︎だからほら、諦めなって。エリカ可愛いんだから他にもっと良い人いるでしょ?」
「やだ!諦めない!私はタケル君が好きなんだもん…」
「何でそんなにこだわるのかね…」
それは、タケル君が特別だから。私の事を顔だけで判断するような他の男の子とは違って、初めて私の性格を見てくれたんだ。
「でも結局幼馴染のあの可愛い子が好きなんじゃない。」
「それは…何か、理由があるはずだよ。あの子いったい、どんな子なの?」
「さあ?同じクラスの子に聞いてみたら?」
「行ってくる!」
数時間後
…ぜんっぜん非の打ち所がないんですけど⁉︎本当に良い子なんだ、私、どうすればいいんだろう。
はあ、もうこんな時間。帰らなきゃ。
……ん?
その時、屋上に続くドアが開いているのが見えた。確か生徒は立ち入り禁止だったはず。誰がいるんだろう…?
「(うそっ…⁉︎)」
そこにいたのは、噂のタケル君の好きな女の子と、確か日本史の桐本先生。どういう状況か分からないけど、2人は抱き合っているように見える。
「(教師と生徒が恋愛⁉︎そんなの、絶対ダメじゃんか!)」
大変な物を見てしまった…!タケル君は、この事を知っているんだろうか。自分の好きな女の子が、教師に恋してるなんて。
「知ってる訳無いよね…」
勝機が見えた気がする。タケル君には、目を覚まして貰わなきゃ。あんな女の子より、私の事を好きになってよ。
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