第3話(原作9~14話) 捕虜の少年

時は昼過ぎのちょうどランチタイム。

眩しく照りつける太陽にいつの間にかもくもくと出てきた入道雲、あれは隠岐だろうか……遠くに島まで見えるほど天気の良い日だ。

まさに絶好の海水浴日和であるそんな中、真司はポツンと一人で浮いていた。物理的にだ。


2機の敵機に追われここまでかと感じた瞬間、咄嗟の判断で射出座席を使い非常脱出したので命は助かったのだ。

しかし、そのまま海に投げ出されたので救援が来るまでは海の上で漂い続ける事になる。


幸い、放り出された座席に位置情報発信器が付いているため、事態が収集すれば救援挺が来る筈である。恐らく戦闘がいまだに続いているのであろう。


「まーだ終わんねぇのか…奴らもしぶといねぇ」


今の戦況を確認しようとさっきから非常用の無線で声を拾おうとしているが、非常用の物だからなのか上手く聞き取れない。雑音の中でたまに聞き取れるかどうかだ。

唯一確認できるものと言えば……さっきから頭の上で飛び回る戦闘中から感じる“戦闘中”というものだけである。


「F-2の音が聞こえてもしゃあねぇんだよ…」


また一機飛んできたようだ。鼓膜を破るのかというほどの「キーン」という音を響かせながらこちらへと近づいてくる。

徐々にその姿が大きく見えると、どうやら被弾して逃げ帰るようなのか、黒煙をたてているのが見えた。


「あらー…やられちゃってるわ。しかもありゃ追いかけられてんじゃねぇか?」


目を凝らしてよく見ると、後ろから一機追尾してきているのが分かる。機体損傷で戦線離脱した機を追いかけてきたという構図のようだ。


しばらくすると追いかけている戦闘機が遂にトドメの攻撃に入る。逃げている方は右へ左へと逃げ回るがもう既に機体の限界は来ていた、無理な動きをするごと小さな爆発と黒煙が出てくる上に動きも遅くなり被弾してしまう。


「やっぱやられるかぁ…でも逃げてるのまで撃墜しに来るってことは戦闘は収まってきてるのか?」


ふと考えているうちにぐるぐると真上で飛び回る戦闘機は遠くから見てもエンジンから火が出るが見えてくる。どこをどう見ても最早アレはもうダメだろう。


爆発する前にと射出装置を使ってパイロットが出てきたと思うと……


「おい待てこっちに機体落ちてんじゃねぇかよ!!!!」


搭乗員に捨てられボロボロになり、至るところから火が出て見るも無惨な姿になったその戦闘機は偶然タイミングが合ったのか、真司に向かって真っ直ぐ突っ込んで来る。


「くっそなんであんなとこで乗り捨てやがるんだよおおお」


とっさに動き直撃はなんとか避けるも、数百キロの物体で作られた強烈な水しぶきで吹き飛ばされると同時に、突き刺さるような水圧と衝撃が真司の体の至るところに走る。

さらに墜落の衝撃で燃料に引火したのか、真司の至近距離でえげつない音を轟かせながら大爆発する。


「グハァッッ……ううッ……」


吹き飛んできた部品で顔から血を出し水圧と爆風で体力が消耗している真司に、爆発で起きた火災の熱風が追い討ちをかける。


「クッ……救援は…まだなのか?」


そう呟いた直後、今まで何の情報も拾えなかった無線から人の声が聞こえた。


『……ジジッ…ザー…こちら…駆逐艦なみかぜ救援挺ッ…ザッ……生存者はいますかッ?……』

「……こちらいずも所属の操縦士1名ッ…、至急救援求むッ!海上で爆発が起きている場所だ!」

『…ザッ…了解しました…さっきの爆発は!?……』

「誰かが乗り捨てた戦闘機が爆発してるんだ!巻き揉まれているッ」

『…了解ですッ…早急に向かいます!』


無線を切ると、更に戦闘機から遠ざかろうとまた泳ぎはじめる。

ふと気づいたら戦闘機は損傷の激しい右翼からは小さな爆発と激しい火災を起こし、コックピットの方までも延焼しかけている。

救援が来るからと言って気は抜けない。


「早く来てくれよぉッ…流石にそんなには持たないぞこれェ……」


まだ離れないのか?火の手は収まらないのか?そう気になり少し進んで振り返るという繰り返しをさっきからずっと続けている。

しかし、そんな希望とは裏腹に誰かが残したプレゼントは真司を痛みつけ続けていた。


もう一度と真司は振り返る、しかし状況は変わらないどころかさらに悪化しているだろう。

火の手は機体全体まで周りはじめ、コックピットなどは既に燃えかけて……


「人が…いる…?」


1人脱出したからもう人はいない、真司はそう思っていた。しかし炎上しているコックピットは良く見ると複座式だ。そして、後部座席には……人影がある。


「嘘だろ…あれ……」


何かの見間違いだろう、そう願ってもう一度目を凝らして見ても……やはりいる。人が残っているのだ。


「どうするッ……流石にアレに突っ込むのはヤバいけど…」


そう迷っているうちにも火は目に見えて激しくなっていき、あの状態で中にいるのはかなり危ないだろう。モタモタしてるうちに窒息死になってしまう。


どうする、あのまま見捨てるのか?そんな考えが頭をよぎるが……そんな非道な事はできない。


真司は体の向きをくるりと反転させ、炎上する戦闘機へと近づいていく。顔を戦闘機の方に向けたとたんモワッとした暖かい風が吹いたかと思うと、直後に思わず怯んでしまうほどの熱風が真司を襲う。


それでも止まることなく進み続け、浮かぶ戦闘機へと近づく。1メートル、1メートルと近づいていく。


「クソッ…水が重たいッ」


近くへ進むと燃料タンクから漏れたのだろうか、ドロドロとした重油が海へ浮いており真司の体へまとわりつく。

そんな中でも髪がチリチリになりそうな勢いの火は容赦なく吹き付け、既にもう熱いどころではなく痛い。

いくら訓練した兵士でもこれは辛いしキツいし…わざわざ助けにいかなくても良いんじゃないのか…?


「しかし…こんなところで諦めるわけにはッ……」


あそこには誰がいるのか分からない。もしかしたら…いや、あれは韓国軍の操縦士だろう。しかし……それでも目の前の助けられる人は見捨てられない。

どういう経緯であれ人の命を守るために作られた日本軍である、真司はその兵士だ。


最後の力を振り絞り伸ばした手が機体へ届く。コックピットの端に手を掛けて、身を乗り出した。

機体の中を見ると…やはり人はいた、アジア系の若い男だ。


「おいッ!しっかりしろ!」


体を揺さぶるが反応は無い。首元へ手を当て脈を取ると…死んではいない、ただ意識を失っているようだ。

その操縦士は体をくだりとさせて座席に身を落としてる。


「全く…お騒がせな野郎だな……」


生きている事を確認できたところで無線が入る。


『こちら救援挺ッ!まもなく到着します!』

「了解、そのまま戦闘機にできるだけ寄せてくれッ」

『えッ…?』

「その中に人がいたんだ!二人まとめて救助頼む!」

『了解ですッ!できる限り寄せます!!』


真司は無線を切ると、周りを見回す…と言ってもいつの間にか視界はもう炎か煙しかない。これはもう非常にまずいというレベルだろう。


体を機体へと乗り出させ、倒れた操縦士をコックピットから引き上げようとするが…ここは海上だ。そんなに上手く人を引きずり出せない。

ただでさえ常に波のある海の上なのにそれに浮かぶ戦闘機の上だ。さらに足場が悪い。


「早くッ!!」


振り返るともうすぐ後ろに救援艇が来ている。グッドタイミングだ。

そのまま突っ込んできてギリギリまで戦闘機に寄せ、真司の手を取ろうと乗組員が手を伸ばす。真司は伸びてる操縦士を無理矢理掴みながらその手を取る。


やはり訓練された軍人だ、手際が良い。手を掴んだと思うとそのままグイッと引っ張られて気付いたら船の上だ。

伸びている操縦士も一緒に引き上げられて、すぐに船を発進させる。


「全く…心臓に悪い事を……怪我はありませんか?」


真司を助け出した隊員が尋ねてきた。真司と同じかもうすこし若いくらいだろうか、インテリ系の眼鏡を掛けた隊員だ。


「はい、なんとか。擦り傷などは沢山ありますけどねぇ…はは」

「なら良かったです…あれはひやひやでしたよ……」


少し厳しい顔をしていたその隊員は、そう言いながら安堵の顔を見せる。他の隊員はすぐに操縦に戻っている。


「まだ落ち着かないうちで悪いが、今の状況も教えてくれないか?ずっと情報が入ってなくてな…」

「はい、この付近はまだ上空が完全に制圧できていませんが、今から1時間ほど前には竹島奪還に成功しており、救援や撤退をしている所です。」

「そうだったのか…もうほとんど終わっていたとは……」


確かにさっきまではひっきりなしに戦闘機が飛び交っていたが今はもう落ち着いている。飛んでいても日本の戦闘機だ、恐らくは制空の為だろう。


「そう言えば、お宅らはどこの所属なんです?無線も使い物にならなくて…あなたたちが誰だか分からないうちに救援の要求したもので……俺は佐世保の空母第七小艦隊いずも所属の操縦士、新垣中尉ちゅういだ。」

「私は舞鶴の駆逐第三小艦隊の駆逐艦なみかぜ所属、益田少尉しょういです。あそこで操縦している彼らは中村准尉じゅんいと花田准尉です。」

「舞鶴所属なのかぁ…前の二人もさっきはありがとな!」


前にいる准尉は少しこちらを見て会釈をする。


「ところで私も気になることがあるのですが…さっきのアレはどういう状況だったんです…?」

「いやあれはな…たまたま近くで撃墜された戦闘機の中に逃げ遅れがいてな、されがそのまま俺に向かって落ちてきたんだよ。」

「はぁ…」


その隊員は呆れるというより反応に困るような顔をした。


「そいつを助け出してたらこうなったって訳だ。」

「それで二人になったんですか…ごくろうさまです。で、この人は…日本の人じゃ…ないですよね?」


相変わらず寝ている例の軍人に目を落とす。さっきまでは良く見てなかったが、確かに軍服が日本の物ではない。これは…


「ああ、韓国軍…の人だろうな……」

「韓国が宣戦布告してる以上すんなりと返す訳にもいかないですし…捕虜ですかね」

「恐らくは…そうであろうな……。そんな捕虜なんて扱いにはしたくないが…」

「取り敢えず艦に戻って本部に聞いてみましょうか。まあどうなるかは決まっているようなものですけど……」


ふと前方へと目を向けるとすぐそこには駆逐艦なみかぜの姿が見える。


———————————————————————————————————————————————————


「オーライ…オーライ…はいOKでーす。クレーン降ろしまーす」


速度を合わせ、ピタリと駆逐艦に寄せて並走したかと思うといつの間にか展開されているクレーンから釣具が降りてくる。

一瞬の作業で小型艇をクレーンと繋げた、益田少尉が合図を出す。そして、航行しながら吊り上げた。

流石だわ、と真司は一連の作業を見ながら呟く。訓練でも中々こんな事はやらないのに、ここの船員は完璧にこなしている。自分では…多分できない。

そんな事を考えているといつの間にか小型艇は甲板の上へと下ろされる。


「この人を医務室へ!」

「了解です」


船が下ろされると待機していた隊員が手際よくその操縦士を担架に乗せて運んでいった。


「新垣中尉、あなたも医務室で診てもらって下さい。かなりの傷がありますよ…」


益田少尉に促される。俺も?という顔を見せて自分の体を確認すると、気付かないうちに所々に傷ができていた。

墜落した時やら炎の中に突っ込んだときに付いたのだろう。


「この艦での今後は彼に任せますので、私はこれで」

「私が新垣中尉の案内を任された真壁準尉です。まず医務室へと行くので私に付いてきて下さい」

「了解だ、連れてってくれ」

「私もが終わったら後から行くので…」


益田はそう言い残すとは足早にどこかへ行ってしまった

真司と真壁は周りの隊員が作業しているなか、二人だけ取り残される。


「では行きましょう」


真壁はそう言うと近くの階段を降りはじめた。真司もそれに付いていく。

甲板上は小型艇の作業やらで忙しそうにしていたが、船内は以外にも落ち着いている。一応前線にいるからもっと慌ただしいかと思っていたが以外だ。


「なあ、真壁準尉」

「はい、なんでしょうか?」


歩きながらこちらをちらりと見て応答する。


「ここってほぼ最前線な筈だよな…なんだか落ち着いているというか…戦闘体制っぽくないよな…?」

「最前線と言ってももう既に戦闘は終了して戦闘体制は解除されているからです。一応臨戦体制にはすぐになれるようになってはいますが……」

「ほ、ほう…そうなのか…」


取り敢えずそう言ったが、船の上で最前線など行くことの無い操縦士の真司にはいまいちよく分からなかった。まあ分かったことにしておこう。

そんな会話をしているうちにも医務室に着いた。


「ここが医務室です。」


真壁はドアにノックをした。中からどうぞーという女の声が聞こえ、中へと入る。


「失礼します、先ほど救援しました…」

「ああ!君が例のお騒がせパイロットかぁ!会えて光栄だよ!!」

「え……?」


思わず真司はそう呟く。

何故かその部屋の中にいた船医と思われる若い…と言っても真司と同じくらいの年の女性はもう既に真司の事を知っていたようだ。

少しニヤニヤとした顔を見せながら興味津々とした目を向けてくる。


「俺、もしかしてこの艦で有名人になってるんですか…?」

「そうよ?爆発炎上してるところに突っ込んで人助けなんてよくやるわねぇ」

「そんな事まで…」

「お陰で結構傷ができてるじゃない。ほら、見せてみな」


そう言うとその女医は手招きをして真司を自分の近くへと呼び寄せる。

促されるままに真司は近づいて行くと、そのまま病院などによくありそうな丸椅子に座らされる。


「取り敢えずその傷の対処からね、少し痛いけどガマンしてねぇ~」


おもむろに真司の腕をまくり、傷の確認をし始める。


「そう言えば自己紹介が遅れたわね。私はこの船の医官やってる近藤少尉よ。あなたは新垣中尉…だったかしら?」

「ああ、そうだ。名前までバレバレだとは…」

「ふふふッ…この艦は情報がすぐ隅々まで届くのよ♪」

「一体どのタイミングで……?」


そんな疑問を抱く真司を傍らに、頬の切り傷に無慈悲にもアルコール漬けの脱脂綿を押し付けられる。ピリッとした感覚が頬から顔全体へと広がって“イテッ”という声と共に体が反射的に動いた。


「それで…あの人なんだけど……」

「ああ、意識は戻ったのか?」

「まだダメね。話を聞く限りじゃ腰とか痛めてそうだけど、まあそんな大怪我してる訳じゃないから暫くすれば起きるはずよ」


近藤はくるりと椅子を回して医務室の奥の方を見つめた。どうやら一番奥の壁際のベッドに寝かされているようだ。


すっと立ち上がり、ベッドへと近付く。なんだかんだでまともに見てなかった顔を初めて見た。

どこか幼さを残す顔の青年だった。どう見ても日本では操縦士にはなれなそうな年齢であろう。こんな青年が戦闘機に乗って戦うのか、ふとそう考えてしまうほどである。


「ここに来たときには驚いたわ。いくらなんでもこんな若者まで前線に来るとは思わなかった…」


近藤がそう呟く。


「お?」


顔が少し歪んだ気がする。気のせいか?そう思っていると今度はかすかに右手を動かした。


「意識が戻ったのか?」


その青年はゆっくりと目を開けると不思議そうな眼差しでこちらを見てくる。

そして、左手を付いてゆっくりと起き上がった。

真司の達の目線が集まるなか、青年…いや、少年は呟いた。


「여기가…어디지……?」




ここは…ベッドの上…?病院なのだろうか…いや、かすかに揺れを感じる。…そうか……ここは…船の上なのか…。俺はいつの間にか助けられたという事なのか。

少しずつ意識が覚醒してきた。確かあの時…奴らの弾が当たって脱出しようとして……その後の記憶がない。きっとそのまま落ちたのだろうか。


しかし、落ちたというのにどこかが折れたとか動かないという感触は無い。運が良かっただけなのか…?

そう言えばここは結局どこなのだろう……?ゆっくりと辺りを見回そうとすると、すぐ隣には人が二人、見知らぬ男と女が立っていた。女の方が医務室の人間なのか白衣を着ていて、男の方は汚れた戦闘服だ。


二人とも心配そうな顔をして話しかけてくるが、何を言っているのか聞き取れない。まだ意識がはっきりとしてないのか、どこかで頭を打ったからなのか……?

いや、違う。……これは…言葉が違う。だが言葉をどこかで聞いたことがある。俺は知っている、知っているぞ。どこかで聞いたことのあるような特徴的で……うちの国が最も嫌う国のコトバ…


……もしや…そんなことはないと願いたいが…ここは……


「ニ…ホン……」




意識が戻りまだ頭の中が混乱していた状態だったのだろう。その少年兵は辺りを見回したり何かを考えていた。が、突然こちらに顔を向け…そう言った。ここがどこで自分はなぜここにいるのか、そして目の前にいる人が何者なのか悟ったのだろう。じっと見つめてくる目には困惑、敵意、興味そして恐怖が読み取れる。


「大丈夫だ、俺らは君に攻撃はしない。信用してくれ」


信司は両手を開いて敵意が無いことを示すが警戒心は解いてくれそうにない。その場でしゃがみ、目線を合わせた。


「今からいくつか聞きたいことがある。答えてくれないか?」


反応はない。だが拒まなかった。


「俺の言葉は分かるのか?」


少年はゆっくりと頷いた。


「どこか痛い場所はあるか?」


首を振って否定する。


「これだ最後だ。お前の名前を教えてくれ」


今度は躊躇しているのか、すぐには答えてくれない。目線を下におろしてしまった。


「無理して答えなくてもいいぞ、言いたくなかったら今はいい。」

「ジウォン…パク・ジウォンです!」


小さい声でだがその少年は自分の名前を名乗った。まだ成年になんているのかすら分からないほどの少年が敵の兵士に捕らわれて質問される。それだけでも恐ろしいはずなのに答えたのだ。


「そうか……お前はジウォンっていうのか……答えてくれてありがとな」


そう言いながらぽんとジウォンの頭に手を置くと顔をあげてこちらを見た。今までの強ばった表情は消え。困惑したような安心したような表情だ。

傷病人でない信司はもうこれ以上ここにいても邪魔になるだけだろう。医官の近藤に後を託してその場から立ち去ろうと立ち上がり、部屋の外へと進もうとする。


「あ…あの……」


その声はジウォンだ。ドアに手をかけていた信司は後ろへ振り返ると、今までとは違った目を向けているのが見えた。


「あ…あなたの…名前は何というのですか?」

「俺か?俺の名前は…近藤、近藤信司中尉だ」



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今回の兵器紹介


・F/A-3戦闘機(通称“ゼロ・ネクスト”)


基本性能

乗員 1名(一部2名)

全長 15.60m 全幅 12.12m 全高4.46m

エンジン IHI製 F5-12

最大速度 マッハ1.9

フェリー飛行時航続距離 4,200km


兵装(F-3A・対空戦闘時)

住友金属製 S-31 30mmリヴォルヴァーカノン

11式空対空誘導弾 (AAM-6)×8

13式空対空誘導弾 (AAM-5)×8


2012年(平成24年)から導入された多目的・攻撃戦闘機。老朽化の始まったF-2の置き換えや日本近海での防衛・攻撃力強化を目指している。

日本軍と三菱重工が中心となって開発した純国産戦闘機で、F-2の技術を継承しつつも新しい機能の搭載や性能の向上が図られた。


前型のF-2との大きな違いとして、対艦攻撃へ特化した攻撃機があるため機種を表す記号に「A」の付く派生型が存在し、兵装を変えることによって強力な対艦攻撃や対地攻撃を可能とした機が存在する。



・11式空対空誘導弾(AAM-6)

・11式改短距離艦対空誘導弾


経費圧縮と合理化のため、2011年に制式化した陸軍配属の11式短距離地対空誘導弾を海空軍で改良採用した兵器。

飛距離が数キロ~10キロという短距離ミサイルかつ誘導方式で比較的小型という使い勝手の良さから、艦艇の防衛用兵装や対空ミサイルとして広く使われている。



・なみかぜ級駆逐艦


基本性能

基準排水量8,250t、満載排水量10,750t

全長152.1m、全幅18.4m

速力31ノット


機関

IHI製LM9000ガスタービンエンジン 4基


兵装

高性能20㎜機関砲 CIWS  2基

Mk.45 62口径5インチ単装砲 2基

Mk.41 mod.29 07式 SUM   1基

09式艦対艦誘導弾     2基

11式改短距離艦対空誘導弾 2基

04式4連装短魚雷発射管   2基


1992年(平成4年)から導入された汎用型駆逐艦。これまでの経験を生かして設計されたため、非常に使い勝手が良く日本各地の基地に導入され、主力駆逐艦の一つとも言える。

今でも海外の軍から輸入したいとの声も上がっており、既にベトナム軍やインドネシア軍などの軍が所有している。

また、派生型に高速化や試験を兼ねて機関の増強や船体形状の変更を行ったしまかぜ級試作高速駆逐艦がある。


近年、老朽化と新技術の開発に伴い全ての艦が改装され、今でも新型駆逐艦に見劣りしない強さを持つ。



・日本軍の階級制度


内閣総理大臣を最高指令官とする日本軍の階級。旧日本軍の階級を元に“幕僚長”“幕僚補”等を付け加え、“曹長”“伍長”等を削除してている。

日本軍が復活するときには“昔の軍と階級制度が殆ど同じままは如何なものか”と言い出した人がいたらしく、決定まで若干揉めたらしい…?


日本軍階級(陸・海・空同一)


内閣総理大臣

国防大臣

幕僚長 例:陸軍幕僚長

幕僚補 例:陸軍幕僚補

大佐 例:陸軍大佐

中佐 例:陸軍中佐

少佐 例:陸軍少佐

大尉 例:陸軍大尉

中尉 例:陸軍中尉 ←新垣の階級

少尉 例:陸軍少尉

準尉 例:陸軍準尉

軍曹 例:陸軍軍曹

士長 例:陸軍士長

一士 例:陸軍一等士

二士 例:陸軍二等士

軍候補生

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