8. いっかいだけ。
「集合だ!」
高橋さんの号令だ。いつも以上に声を張っている。
☆
高橋さんの号令だ。いつも以上に声を張っている。
「お前らは練習通りにやればいい!!!
ボールが地面につくまでは絶対に諦めるなよ!」
「おっす!!!」
みんなもいつも以上に気合いがあるように見える。
「なあなあ海人。」
直樹だ。
「何ですか。」
「はい。敬語アウトー!(笑)」
直樹の笑顔もいつも以上だ。
「本気出せよな。バレーは考えるのが楽しいんだ。海人が本気出さないと力を合わせることは不可能だ。考えてバレーをやってみたらどうだろ?」
「考え...る...?」
「おう!相手が次どういう攻撃で来るかーとか
自分のチームの誰かにこういう技を出せーとか言ってみたり。
とりあえず海人はまず、チームのことを考えたらいいんじゃないかな。」
「…うん。できなかったら...どうしたらいいかな。」
「なに弱音吐いてんだよ!(笑) 大丈夫。俺らは..
少なくとも俺は、海人が頑張ったってことがまずは1番の喜びだよ。」
「...」
「頑張ろうなっ!」
--
考えてバレーをしてみた。意外と...楽しい。
結果は予選敗退だったけど、みんな「どんまい!」って言い合ってた。
バレーを考えてやったら人間不信から抜け出せるかな...
みんなとの関わりも広がって…。1番の近道かもしれない。
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