7. 試合が始まるみたいです。

俺の腹を踏んだり顔を殴ったり、

画鋲を椅子に置かれたり上履きに画鋲を入れられたり...。

他にもたくさんあるけど。


そんなときに、いつも助けてくれたのは直樹だった。



そんなときに、いつも助けてくれたのは直樹だった。


「おい。お前ら何してんだよ。いる意味ない?存在邪魔?消えろ??

じゃーあんたらは何の為に生きてんの?いじめの為?」


「お前らさー、そんなこと毎日してて楽しいの?

ゲームしてた方がよっぽど楽しいと思うんだけどなぁー。

ゲーム内ではいじめをしても相手に感情ない。でもここ現実だよ。

ちゃんと1人1人感情がある。場所履き違えてますかー???」


って。今思えば 小2の脳じゃなかったと思う。

頭もよくて運動神経もよくて女の子からもモテモテな直樹に

いつも男子らは羨ましがっていて、正直俺も憧れてた。

でも、何故か途中から徐々にいじめの仲間になっていった。

俺に水を被せたり、部屋に閉じ込めたり。笑いもせずに、真顔で。


それから時は過ぎて中学のときに謝られた。

だから一応仲直りはしたけど、

キレてる訳でも許せない訳でもないけど... 人間不信になった。


直樹には 「大人しくなったな」 なんて言われて、

「直樹のせいだ」なんて言えないから「そうかな」。絶対に言えない。

思ったことを言ったら直樹もみんなも俺から離れていく。

そんなの今はもう目に見えていることだ。


--


「うお〜〜〜〜っ!!!体育館って感じっ!!!」


両腕を上に上げ、そう言ったのは青太くん。


「そういえば青太試合初めてだもんな〜。」


と縁くん。


「うわっお前も初めてだろ!!!」


ムキになって大声で叫ぶ青太くん。


「僕中学のときバスケ部でしたし。体育館大きさこんくらいでしたし。」


続いて縁くん。


青太「そんなの今関係ないだろー!?中学と高校は違うんだしーっ!」

縁「あぁはいはいそうでしたぁ〜僕が間違ってました〜反省します〜。」

青太「今すぐ反省しろよ!そこに土下座しろっ!」

縁「先生ー「あああちょちょ、待てって!わかったからぁ!!「ふっ。」

青太「あぁまじお前うぜぇぇぇっ!!!!!」


あんなやりとりをしていないのはあの日以来だ。

やっぱ今は話しかけられたらそれに対応するだけにしてるから... かな。


「集合だ!」


高橋さんの号令だ。いつも以上に声を張っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る