5. 直樹は幼馴染。

山口先輩は眉を下げて大笑いしながら、自分の水筒を山田先輩に渡す。

それを見ていた“俺以外”のみんなも大笑いする。


「そういや、小高先輩の笑った顔って見たことないなぁ...。」



「そういや、小高先輩の笑った顔って見たことないなぁ...。」


独り言程度にボソッとつぶやいたのは、1年の 虎太郎 くんだ。


「そうか?俺は見たことあるけど...。」


続く直樹。


「僕も見たことありませんね〜」


首を傾げながら1年の 青太 くんも続く。


「あれじゃないですか?直樹先輩は小高先輩の小学生からの幼馴染…なんですよね?だからじゃないですか?」


同じく1年の 縁 くん。


「まあ...それもあるかもなあ〜。」


直樹は頷きながら返答し、続けて周りを見渡しながら言う。


「よし、みんな帰ろうぜっ!」


「やべっ!俺今日車なんだわ!」


真島先輩が後ろの、ステージ右上にある時計を見て焦りつつ言う。


「うわ、うらやま〜なんだよ金持ちぃ〜っ!」


山口先輩が あぐらをかきながら口を尖らせる。


「今のどこから金持ち要素読み取ってんだよ(笑)」

「もう全てから僕推測しちゃうんでっ!キラーン☆」

「適当か...(笑)」


俺はようやく口を開く。

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