4. 笑ったことがあまりない。

「では、練習を始める。」


キュッキュッキュッダダダダダッ...



キュッキュッキュッダダダダダッ...


---


「ぷっはーーーーーっ!!!!!」


3年の山口先輩がうまそうに水筒に入っている水を飲み、ふたを閉じる。


「うわ!水筒忘れたっ! おい茜、水筒くれ!!!」


自分の鞄を漁りながらそう叫び、

右手を山口先輩の方に向けたのは 同じく3年の山田先輩。


「いやぁんっ!えっちぃ〜〜〜っ!」


口を尖らせながら水筒を抱き寄せる山口先輩。


「やめろよそれ気持ち悪りぃぞ...(笑) いいだろー!?

苗字に『+(プラス)』がつくかつかないかの仲なんだしーっ!」


山田先輩も負けじと粘る。


「山田…山口……マジな、ウケるっ!!!(笑)」


山口先輩は眉を下げて大笑いしながら、自分の水筒を山田先輩に渡す。

それを見ていた“俺以外”のみんなも大笑いする。


「そういや、小高先輩の笑った顔って見たことないなぁ...。」

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