第7話 その頃…俺はベッドで寝ていました…

…。

いっ…てぇー…。

なんか頭がガンガンしてきた…。

そう言えばあれからどれくらい経ったんだろう…。


俺は全身の痛みを感じながら、むくりと起き上がってみる。

…おおぅ…包帯だらけだ…。

口元まで覆われたおかげで息もしにくい…。

どうやらベッドの上で寝転んでいたようだ。


「お目覚めですか?この愚民様」


声のした方を向くとそこにはメイド服に身を包んだ、可愛い女の子がいる。


…魔王軍三大幹部の一人、メーラ・ステリアル。


まさかこんなやつまでいるなんて…。


真紅の髪の毛をツインテールに結んだ姿や、人形のような蒼の瞳…。

一度見たら忘れることもないだろう。


…ネトゲ内での情報によると、とある帝国によって作り上げられた、旧型の心を持つアンドロイドだったとか…。

魔王に忠誠を誓い、メイド服に身を包んで戦う姿は『血まみれメイド(ジェネラルクイーン)』…なんて言われてたらしい…。


…ん?

なんでメイド(クイーン)になっているかだって?


はっはっはっ…。


スマン…そこはわかんない。


まぁ、そんなもの調べる必要はないな…。

めんどくさいし。


「何を私の体を見てニヤニヤしているのですか?あれですか?私のような非生命体に欲情したのですか?バカですか?豚ですか?ゴリラですか?」


…こいつ…なんかリアルだと毒舌過ぎるだろ…。

いや、毒舌というかただのドSだな…。

すっげぇムカつく…。


「…うっせぇなぁ…。お前には欲情の「よ」の字もねーよ」


なんて言い返したら…


「っ…!?…珍しいではないですか…この愚民様…。この私にそのようなツンデレを見せるとは…」


いやいや!!

ツンもデレもねーよ!!

嫌悪感しかねーよ!!

どうしたらそんな風に思うんだよ!!

ポジティブシンキング過ぎるだろ!!


…と言いたかったがまだ全快とは言い難く、言う気力もなかった。


「そう言えばご報告がまだでしたね…。先ほどクリスティアーネ様が敵陣に乗り込み、リーダーを始末しました…。我軍の勝利です」


おおぅ…。

仕事がはえぇ…。

でもまぁ、なんとか危機は脱したな…。

良かったわ…。


「まったく…愚民様から出たナイスミドルなナイスアイディアがこんな形でうまくいくとは…。メーラの靴をなめさせたいぐらいです」


うん…。

靴はいいから…。

そんなもん何のご褒美にもなってないよ?


…とはいえ、確かに俺の策がここまで成功するとは…。

何だかスッゲー嬉しいわ…。

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異世界侵略英雄譚―ネトゲの魔王と世界侵略をします― @takanari

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