第284話 なつかしいなぁ

一年前まで、読みやすさの追求で、読点じゃなくて句点でよく文を終わらせてたんだよね。


読みにくいですって編集者に相当赤付けられて、慣れきってたから、最初は元々そうじゃなかったのを矯正したのをまた矯正して元に戻す作業をしなくちゃいけなかったんだ。


元のままのほうが良かったってことだ。


なので今は普通に戻ってるわけだけど、気がついたら読点なしに一気に句点まで一節を終わらせてるから、慌ててる。


一度ついた癖はなかなか矯正できないってことだ。


でも、実は句読点で区切る区切らないっていうのは、そうしなければならないわけじゃないんだよね。


読んでる人が勝手に脳内で補完してる時があるからね。


句読点もなく続く実験的文学もあるし、詩なんかそうだよね。詩の延長線で小説書いてるひとは句点読点の意味はさほど見出してないようだよ。(コバルト作家さんだけど)


とりあえず、句読点は意識して推敲のときは付け直してる。それでも句点が足りなかったりするけど。


意味を通じさせるための句点はあっても、句点がということはあまりないかな。


校正とはそういうことで、よっぽどのことがない限り、指摘もしない。

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