第9話「フルーツグラノーラがこんにちわ」

北海道帰省中のこと。


週明けの月曜日は平日なので、


朝からみんなバタバタです。



姉父は仕事へ、


姪っ子は小学校へ。




母だけは仕事を休んでくれたので、


私と久々のショッピングです。




ジャムおじさん(父)のパンを食べ終わり、


お出かけの準備を進めていると、


ピンポーン!っとインターホンが。




(こんな朝に誰だ・・・?)


とインターホンの映像を確認すると、





だーれもいない(笑)







(冷やかしか・・・?)


とスルーしようとしたら、




母>


「ゆっちゃーん!ひよりちゃんきたよー」


と母の声が。






姪っ子のお友達・ひよりちゃんが、


お迎えにきてくれたようです。







小学一年生のひよりちゃん。



あわや身長が足りず、


インターフォンに映らないという、


可愛いハプニングを届けてくれました(笑)






妖精かと思ったwwww







そんなひよりちゃんをひと目見たいが為に、


玄関までお見送り。




私がノコノコ出ていくと、


ひよりちゃんは、じっと俺の顔を覗き込んで、




ひよりちゃん>


「この人だぁれ?」



姪っ子>


「えっちゃん!!!!」




この会話(笑)




こんな会話で成り立つのだから、


小学一年生って可愛いw






(誘拐とかされんじゃねーぞ!)



と心の中でつぶやきながら、


可愛い妖精達を見送ったのでした。





まずはじめに向かったのは、近所のスーパー。



品揃え豊富で、野菜も生き生きとして美味しそう!





大量の食材を買い込み、車に戻る途中、




私>


「これって、1週間分の食材?」


ってきくと、



母>


「うんにゃ。これで2、3日分だね。週に2回は買い込んでるよ」


だそうだ。




父の持病の関係もあり、


冷凍品の使いまわしや外食もほとんどせずに、


毎食手作りで食べているようだった。




母も姉も仕事をしている中で、


毎食おかずを3~4品つくり、しかも全てカロリー計算している。





我が家では、父だけそんな生活させるのは可哀相だということで、


一家全員、同じ食生活だ。






東京での悠々自適な生活の裏で、


実家での母と姉の奮闘を見た。







(自宅にいるときは、私も少しお手伝いしよう!)




力強い足取りで、


買い込んだ食料を両手いっぱいに持つ。




その勢いのままに、自宅の玄関に入ろうとしたのだが、




ポキィッ



と何かが折れる音が。







私>


「おカア!ネギが折れた(笑)」





決意した直後に足手まといにwww





すぐさま、母に申し出ると、




母>


「いいのよ、いいのよ!どうせこの後折るところだったし!」






???






これは、


母流の「全然大丈夫だよ!」っていう


意思表示である(笑)






母はよく、


何かに失敗した相手を気づかうあまりに、


気持ちに力が入りすぎて、


トンチンカンな言葉を発する傾向にあるのだ。







ようするに・・・




イイヤツなのである(笑)










楽しい4日間もあっという間に過ぎ、


帰省の朝を迎えた。





今日も、見送り担当の母以外は、通常どおりご出勤だ。





意外だったのは、父が何もいわずに仕事場に行っていたこと。


「じゃあな」くらいの声がけがあるかと思っていたので、残念である。





母>


「お父さん、寂しかったんじゃない?いつも通りにしたかったんだわ」




(そっかぁ。なんか分かる気がするなぁ)





和室には、後ほど母に送ってもらう予定の、おれの荷物が置いてあった。


前日に中身は整理していたので、あとはガムテープを張るだけだ。



おもむろにダンボールを見ると・・・




ん?




食料が増えてる!!(笑)





フルーツグラノーラが、こんにちわww




他にもカップ麵など、


家においてあった食料がダンボールの隙間に埋め込むように、積み込まれていた。




母>


「ああ!朝、お父さんが入れてたよ(笑)」




別れの挨拶代わりに、


娘を想う気持ちを荷物に詰めてくれた父。




さすが、父!




いつもありがとう。









空港では少し時間があったので、


母と軽めのランチタイム。





サンドイッチとコーヒーを平らげていると、


あっという間に飛行機の時間が迫ってきた。






私>


「おカア。あたしもう時間だから行くね。ここでお別れでいいから」



母>


「なんで?搭乗口まで見送るよ!」




私>


「みんないるならいいけど、今日は1人でしょ?待ち時間もあるだろうし、疲れるよ。あたしは大丈夫だからさ」



母>


「…わかった!じゃあ、お母さんの分のサンドイッチも食べていきな。体に気をつけてね」





私は、勢いよく母の残りを食べて、


「じゃあね!」と登場口がある2階の方へ駆け上がっていった。





上京して5年もたつのに、


なんか、最近だめなんだよね。




別れがつらい。




年なのかね?





ギリギリまで一緒にいると、寂しくなってしまうのだ。





そんなこんなで東京に帰ってきた。



また明日から私の日常がはじまります。

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