第6話「あっちへカポカポ、こっちへカポカポ」
昔から「常識的に考える」ということが苦手だ。
なぜなら、自分にとっての常識自体が、周囲とかけ離れていることが多いからである。
自分にとっては何ら不思議でもないことが、他人というフィルターを通せば一転して「非常識」となってしまう。
その事を裏付ける最もたるエピソードが「缶ぽっくり事件」である。
缶ぽっくりというのは、空き缶に紐を通して、竹馬みたいにしたお手製の用具のことなのだが、小さい頃の、あたしのお気に入りの遊びの1つだった。
ちなみに、
缶ぽっくりを近所の子供たちと遊んだ記憶はない!!
なぜなら、
缶ぽっくりをやる時は、常に1人だったからだ(笑)
ひたすら1人で、缶ぽっくりを操りながら、カポカポ近所を練り歩いていた。
それだけで猛烈に楽しかった。
特に、足を下ろした時に鳴る「カポ」という音がたまらなく好きで、しびれるほどだ。
カポカポ聞きたいが為に、1時間でも2時間でも自宅前をカポカポ練り歩く(笑)
カポカポカポカポ、右にいったり左にいったり。
車が通る際には、カポカポ急ぎながら路肩に避難(笑)
お父さんが帰ってくるとカポカポお出迎え。
「もう日が暮れてきたから家に入りなさーい」と母が玄関から叫ぶと、カポカポカポカポ自宅前に戻っていく。
カポカポに夢中(笑)
今日も明日も明後日もカポカポしなきゃ気がすまん!!ww
当時の小学生たちが一輪車にまたがり自在に好きな方向に進んでいくのを横目に見ながら、あたしは歩みも遅く、カポカポカポカポいつもと同じコースを練り歩いていた(笑)
先日たまたまネットで、缶づめに入った乾パンを購入しようとした際に、「缶ぽっくり」の記憶がフラッシュバック!
(↑ちなみに乾パンは、縄かりんとうに次ぐあたしの大好物)
猛烈に「缶ぽっくり」がやりたくなったあたしは、最近子供が生まれたばかりの会社の同僚を捕まえ、ミルクの空き缶を提供して貰おうと考えた。
過去の経験から、缶ぽっくりに最も適したのは「ミルクの空き缶」だということをあたしは知っているんだ(笑)
あたし>
すみません。ミルクの空き缶ってありますか?
もし捨てる前だったら、あたしにくださいな。
同僚>
ありますけど、何に使うんですか?
あたし>
缶ぽっくりやろうと思って!
同僚>
えー!?缶ぽっくりって、あれですか?(笑)
大人でやってる人なんていないですよ。どこでやるんですか?!
あたし>
近所の公園か自宅前。え??恥ずかしいことなの?大丈夫じゃない?
同僚>
絶対辞めた方が良い(笑)
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こんな具合に、全力で缶ぽっくりをやることは止められてしまった(笑)
大人ってだけで、やれることが狭まっているとしたら、なんと世知辛い世の中なのだろう。
今でも疑問に思っているんだが、大人が1人で缶ぽっくりやってたら、本当に変なのかな?
あたしの感覚ではさー、逆に良い遊びを思い出せてよかった!さー当時の気持ちになって、カポカポいっちゃおーか!位の勢いなのにwww
念の為、一緒に住んでいる親友にも「大人が缶ぽっくりやるって辞めた方がいい?」って聞いたら、「絶対止めた方がいい」とお墨付きをいただいた。
けど、今でもウズウズしているから、近々やっちゃうかもな(笑)
その時は、人目がつかない深夜にしよう。
寝ている時に、カポカポ聞こえてきても安心してくれ。
それは、あたしの「缶ぽっくり」の音なんで(笑)
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缶ぽっくりに限らず、昔から突拍子もないことを考えついては、周囲を巻き込んで騒動をおこすことが多かった。
他にもいくつかエピソードを挙げるならば、
・傘連判事件
・未確認生物捕獲部
あたりがわかりやすいだろう。
これもねー。ほんとくっだらないエピソードなんだが(笑)
中学生の頃、吹奏楽部に所属していた私は、顧問と折り合いが悪く、ぶつかることが多かった。
そんな中あたしは、自分の考えに賛同する部員達を音楽準備室に集め、何を思ったか「ストライキをおこしましょう」と提案したのだった(笑)
しかも、顧問に傘連判状を提出することを条件にww
傘連判状っていうのは、昔、百姓一揆などで用いられた円環状の署名形式で、指導者が誰か分からないようにする目的で考案されたものだ。
要は、得意な雑学の知識をフル活用し、明らかに自分がリーダーだという状況を少しでもごまかそうとした訳だ。姑息である(笑)
だが、連判状を提出しにいったのがあたしだった為、1秒であたしがリーダーだということがバレ、こっぴどく叱られたのは言うまでもない。
あまりのバカぶりに、つい最近まで自分の脳内から抹消していた記憶であったのだが、実家に帰省した際に見つけた当時の写真に、ちゃっかり「傘連判状」を片手にいきしゃあしゃあと写っている自分がいたのだ(笑)
若気の至りとはこうゆうことをいう(笑)
もう一つは、高校生の頃に発足した、とある「部活」でのエピソードだ。
あたしには昔から、未確認生物を捕獲するという目標があった。
そのため、未確認生物リストの中からどいつを捕まえようか日夜無駄に悩んでいたのだが、高校1年生の夏、とうとう我慢ができなくなり、仲が良いメンバーを従え、未確認生物を捕獲する部活を非公認で立ち上げることにしたのだ。
「フライングヒューマノイド絶対GET!」と書かれた当時の生々しいプリクラには、フライングヒューマノイドになりきった自分のバカづらと、フライングヒューマノイドの発見者になりきった友人の姿が写りだされていた(笑)
いやー。
当時のあたしに付き合わされてきた皆さん。
ほんと申し訳ない(笑)
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