第3話「練習」

無事、仮免許証を取得!




証明書には、


有効期限がしっかりと記載されていた。



【2015年1月22日】



これが私のリミットである。





本免許の学科と実技を受け直す上で、方法は2つあった。



1つは、きちんと教習所に通って再取得する道。



時間とお金に余裕があれば、この方法が一番良い。


なぜなら、教習所経由での実技試験は、受かる可能性が格段にあがるからだ。



最初に免許取った時だって、滅多に落ちてる人いなかったもんな。





そしてもう1つは、うっかり失効者のほとんどが選ぶ「一発試験」と呼ばれる道だ。



こちらは、教習所に通わずに各々独自にテスト対策をして、受験する方法。


こちらの合格率は、衝撃の10~20%。


1回で通る人はほとんどおらず、大抵の人は受験を何度もやり直し、免許を手にしている。


風の噂できいたところによると、実技試験7回受験というのも、鮫洲では普通のことらしい(笑)




とりあえずは、学科テストを早めにクリアすることが必要だと考え、


路上練習5回の課題をこなすことにした。



早速おっさんから押し付けられたドライブスクールに予約をとったんだけど、


40分9700円ですよ(泣)



まじ、泣きたくなる(笑)





なんかさー。



よく就職の面接とかで、資格や技能をかく覧あるじゃん?



あと、特技とか趣味とか。



あれって、限られた短い時間で、人柄を把握するためのものだと思うんだけど、



あたしが面接管だったら、




まず




「免許をうっかり失効したことありますか?」



ってきくよ(笑)




どんな情報よりも、更新忘れで免許失効したってきいただけで、



少なくても、こいつは「うっかり者」なんだなと確実にわかるからな(笑)



趣味や特技や資格なんかの情報より、よっぽどその人を知るにふさわしいエピソードじゃないか。



うっかり色々な事をやらかすことは容易に想像つく(笑)



重要な仕事は任せられそうもないな。




さて、路上練習だが、



なんだか若そうな教官で先行き不安(笑)



やさしそうな雰囲気で、今流行りの中性的な男子だった。




申し訳ないが、そうゆうの求めてないんでって感じです(笑)




半年以内に免許取得を果たさなきゃいけない身としては、


雑談や和やかなムードなんて求めていないんだ。



しっかり指摘してくれる、鬼の熟練ジジイ希望だぜ!!



簡単な挨拶をすませると、早速仮免許用の自動車に乗り込むことになった。



とりあえず今の切羽詰まった状況を説明したのだが、



教官「あー。結構いるんですよね。うっかり失効しちゃう人。徐々に運転に慣れていけば大丈夫ですからね」



耳を疑う言葉だった(笑)



大勢のうっかり者と接してきたことで、教官はそういった状況に慣れている…。



あのなー。



そっちにとっては、大勢いる受講者の1人かもしれんが、



こっちは、人生の内で1回しかない壮大なリバウンドな訳ですよ。



わかるだろ?



あの頃に戻りたいと、切羽詰まって懇願しているんだ(笑)



徐々に運転に慣れるだと?



ふざけるんじゃない(笑)



そうやって、受講回数を増やして、じわじわと諭吉をむしりとっていく作戦なんだろうが、こちとら受講回数3回と決めている(笑)



悠長に気長に受験する気はさらさらない!



教官のノンキぶりに、不安を抱いた私は、心の中で勝手に「受講中の私語は禁止」というルールを決めた(笑)



1回40分しかないのだから、雑談なんてとんでもない。



そもそも、俺とお前は友達じゃないんだ。



車内で発する言葉は、全て「試験に受ける為の知識」にしてくれな(笑)




教官「では、最初に交通量が少ない道路・交通量が多い道路・交通量が全くない広場、どれから行きたいですか?」



私「こ…交通量が全くない広場で!」




ペーパードライバー歴3年の私が、いきなり交通量がある道路なんて運転できる訳ないだろう!(笑)



まずは、ブレーキの位置やアクセルの踏み方、安全運転するための確認項目などを順番に教えてくれ。




ふー(笑)




きっとこの若い教官は、体で覚えさせる作戦に出たのだろう。





申し訳ない(笑)




俺、それ苦手なんだ(笑)




言葉で順番に教えて貰って、頭で理解してからじゃないと、覚えられないタイプなのだ。




今後一切、説明なしで、まずはやらせてみよう的な教え方はやめてくれな(笑)





久々の運転は、なかなか緊張して思い通りにいかなかったよー。



ただの運転ではなくて、試験用の正しい運転をしなきゃいけないって過剰に思いすぎて、


元々できてた技術までぐっちゃぐちゃw



何はともわれ、路上試験証明書を発行して貰うことはできたので、さっさと学科試験を受かってから、また実技は考えるか。




そう安心したのが運のつき。



なんと、その後わたしは、学科試験も受けずに4カ月の放置プレイをかますことになるのだ。

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