第9話「後日談」

先日、実家の母から喜びの報告がありました。


なんと、あの第二次世界大戦を生き延びた祖父が、

秋の叙勲で受賞されたというではないですか。



で、肝心の受賞理由ですが、


私>

「え!めっちゃすごいっしょや!!で、なんで受賞されたの?!」


母>

「漁じゃない?あと、お母さんもよくわかんないけど、お役所仕事もちょっとやってたみたいだよォ?」


ってめっちゃ曖昧!!!(笑)


漁の功績っつったってさ、何十年も続けたことが受賞理由なら、もっと受賞者がゴロゴロいるはず。

お役所仕事も初耳です。おじいちゃん、漁師じゃなかったっけ?(笑)


一体なんで受賞されたんですかwww


まじで気になります!


私>

「ちょっと、なんで受賞されたかもわかんないの?(笑)電話でじいちゃんに聞いてみなよ」


母>

「あーだめだめ。じいちゃん耳遠くなったからさ。いっつも電話口で、お互い何言ってるかわかんないっさ(笑)で、お互い言いたいこと勝手にまくし立てて満足したら切るっさね。」


なんと。。。。

利尻まで行って本人の口元に耳をじっくり当てないと、受賞理由すら聞き出せないなんて。


誰か、すぐさま利尻にいって、受賞理由聞いてきてください!(笑)



うちの家族は結構適当なんで、

なんで受賞されたか誰一人ちゃんと理解してないのに、大盛り上がりです。



高齢だったので、皇居での授賞式は断ったらしいんだけど、

おじいちゃんのところには、全国各地から額縁やら何やらの商売人からの電話が殺到!!!(笑)



頼む。

誠実に一途に生きてきたじいちゃんを、商売対象に見るのはやめてください(笑)



授賞した時にじいちゃんが、


じいちゃん>

「誰かにほめられたくてやってきた訳じゃないが、こんな有難い賞までいただくなんてなぁ。嬉しいなぁ。それだけで十分すぎる想いをさせてもらった。高齢だし体が言うこときかねえ。授賞式は遠慮するって伝えたんだ。」


っていってたらしいです。


なんで授賞されたから分かんないけど、じいちゃんの快挙に胸が熱くなった出来事でした。


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利尻島に生まれた男の戦争体験記 @erina

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