第7話「結婚観」
祖父>
「結婚というのは、家と家同士がするもんだ。本人たちの意思じゃなくて、親が決めてくるのが普通だった。」
私>
「今とは全然違うね。」
祖父>
「違う、違う。今の時代とは違って、みてくれなんかは二の次だ。親はな、子供の幸せのために必死だったぞ。男の親からしたらな。とにかく子供を産める女かってことが大切だった。そりゃそうだろう。家の跡継ぎを産んで貰わないと困るからな。だから縁のある女を見つけたら、子供は産めそうか、身体は丈夫かって周りに確かめるんだ。けど、こればっかりは、嫁いでみないと分からんからな。」
私>
「子供を産むことが女の人の大切な仕事だったんだね。」
祖父>
「そうだなぁ。子供ができると、嫁の立場も安心だ。一人前として扱われる。けど、子供ができない女は可哀想だな。どんだけ、家の事や仕事を手伝ってても、子供ができないってことは、嫁の役割を果たせてないってことになるんだ。そうなると、実家に戻される事もあったぞ。」
私>
「その時代家に嫁ぐって、この家の跡継ぎを産みますって義父母に約束するってことなんだね。」
祖父>
「逆に女の親はな。候補の男ができると、あの男は仕事ができるのかって近所に聞きまわってた。同じ漁師だって言ってもな、腕次第で、一度の漁で水揚げできる量が変わってくるからな。その差は大きいんだぞ。男は家族を養うことが仕事だ。だから仕事ができないとダメなんだ。自分の娘を幸せにできる男かどうか、それが大事だな。」
私>
「仕事ができない男はどうなるの?」
祖父>
「嫁を貰えねェんだ。そうなると、家は自分の代で終わりだ。そうなっては親や先祖に申し訳がたたないだろう。男も必至だったよ。必死に働いていたな。」
私>
「家を継続させるって大切なことなんだね。」
祖父>
「自分だってな、その中で生まれた命なんだよ。家を継続させるってのは、一族の命のリレーなんだ。自分さえよければいいわけじゃねぇ。好きな事をやってもいいが、責任は果たさねえとダメだな。」
「今とは価値観が違うんだ。男も頑張らないといけないし、女も頑張らないといけない。男は男の責任を、女は女の責任を果たしていくんだ。そうやって、共に苦労を分かち合っていくうちに、かけがえのない存在になるんだな。」
私>
「今みたいに離婚とかは、なかったの?」
祖父>
「ないな。さっきも言ったけど、子供を産めなくて、やむなく離縁ってことはあったけどな。今みたいにポンポン離婚できないからこそ、女が相手の家に嫁ぐってことは自分の一生を預けるってことだ。男にとっては、女の一生を預かるんだから、覚悟が大事だ。どっちも命懸けなんだから、今とは意気込みが違うな。」
「今は、男女平等とか、対等だっていってるけどな。それはとても大切なことだけど、なんでもかんでも、無理に均一に平等にするのは、おじいちゃんよくわかんないな。権利が!とか、そうあるべきだ!って言うのも分かるけど、なんだか、へりくつに使われていることも多いように感じるしな。だから、今の時代はいろんな問題が起きてるんじゃないか。男と女はそもそも身体も違うし、役割が違うんだ。それぞれの中で頑張ることが、本当の平等なんじゃないかって思うんだけどな。おじいちゃんの考えはもう古いのかもな。」
祖父と祖母は、家が近所の幼馴染だったらしいです。
個人的には、
(あれだけカッコイイ若き日のおじいちゃんと結婚できたおばあちゃんはラッキーだったんじゃないか…。)とふと思いましたww
母や母の妹から聞く話によると、祖母は3人の子供を産んだ後も、子供たちを祖父の母親に預け、祖父の仕事を懸命に手伝っていたようです。
母>
「小さい頃、母さんが家にいた記憶なんてなかったよ。毎日、毎日働きづめでね。おじいちゃんより働いていたんじゃないかな。」
よく、
北海道の女性は気が強いといいます。
これは、北海道は開拓の頃より、男女関係なく働いてきた歴史に由来していると言われています。
内助の功とか、家でひたすら待つような、けなげな南の女性像とは違い、
北の女性は、男と対等に働きます。
見てられねーから、自分がやる!と、勇んで前に飛び出す女性が多いのです(笑)
あくまで、そうゆう「気質」という話ですので、全ての北海道女性が当てはまる訳ではありませんが、自分の性格に当てはめると、妙に納得してしまうのです。
せかせかしてるし、キビキビしてる(笑)
当然、よく働くという事は、生活能力があるということですので、現在、北海道の離婚率が全国で上位にあるのも頷けます。
北の大地、北海道。
大きな波しぶきをあげる荒波や、
冬の豪雪、
自然と共存しながら、この地にたくましく生きる女性は、ちゃんと現実を見ているんです(笑)
北の女性は、男を待ちません(笑)
北海道女性を嫁に貰う時は、その点にご注意を!w
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