女嫌いと男性恐怖症。
この組み合わせだけ見ると、絶対相容れないものに違いないというのは、読む前に想像が付くと思います。
なんとなく反発し合う二人の話なのかなぁと予想して読み始めてみました。
ところがどっこい。
一見両極端であるものの、互いの間に潜むある種の同族意識的なものによって、無意識のうちにお互いを心の支えにしていく二人。
上で予想していたような反発ものというよりもむしろ、第一印象で得た強い共鳴から自分と相手と異性について葛藤していく、といったお話でした。
話の序盤は晶目線で語られているのですが、特に女嫌いなはずの晶が、知らず遥に優しくしていく様や遥には性的な緊張を抱き始めるのが、ニヤニヤと言うよりも焦れ焦れしてしまいます。
遥にしても、晶に徐々に惹かれていく様子が可愛らしくて、段々甘えるようになっていくのがいじらしいです。
二人ともあと一歩と言うところなのに、触れては離れてを繰り返すので、本当にどっちかの背中を押したくてたまらなくなります(特に晶の方)
けど、ふとしたときに手繰り寄せるようにしてお互いを求めていると本人らが自覚するごとに、なんだかじーんと胸が熱くなる感覚を与えられました。
結構晶サイドのトラウマが深刻化してきたところでこのレビューを書いていますが、それが二人の関係にどう影響を及ぼすのかが気になるところです。
遥にとんでもないことが起こる前に、二人ともきちんと自分の気持ちを自覚して共有できたらいいのにと思っています。