天才 □ 18歳 □ イチゴ屋さん花丸 = 沙甜さんは地球一 ~□に入るものは~
十二月二十九日。
<すまんな、買い物をしながらだと返事が
<遅くて。
構わないよ。俺が遅くなることもある。>
<おお、水を入れるとあたたかいご飯が出
<来るとは、どういう仕組みだ?
発熱剤であっためる奴か。>
<さっぱりわからん。
読めや取説。読めや俺のコメ。>
<一之瀬が試食して美味いと言っているが
<あてにならんな。
何の買い物? キャンプ?>
<今は秘密なのだ。今度ちゃんと話す。
分かった。>
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
平日の昼間にしか食べることが出来ないものと言えば。
そんな暗号を今度作ってみようかな。
仕事納め直前となったサラリーマンに混ざってランチを食べているここは、駅前の鉄板焼き居酒屋だ。
平日は学校があるし、土日はランチをやってないし、夜は入れるはずもない。
グルメ情報にいくら名前が載ろうとも、俺達には夢の場所。
そんな場所でも、冬休みを利用すればこうして入ることが出来るわけだ。
しかしこの店は、その美味さで有名なわけでは無い。
俺はクラスで仲の良い五代と六角との約束に付き合って、既に三玉目となる焼きそばに挑んでいた。
「携帯いじってないで食えよお前は。一時間なんてあっという間だぜ」
「ソシャゲか。高校生には辛い遊びをよくもまあ」
向かって左、茶髪をソフトモヒカンにした筋肉質が五代。
向かって右、寝ぼけ眼で小柄なちょっと変な奴が六角。
こいつらとは校内では良くつるんでいたが、こうやって遊んだ回数は数えるほどしかない。
俺は一人で本を読むのが好きだったから、こいつらなりに気を使っていい感じの距離を取ってくれていたのだろう。
「しかし焼きそば食い放題って……。俺じゃ、もと取れねえよ。他のやつ誘えや」
「一之瀬を誘ったんだけどさ、どうしても外せない用があるって」
五代が渋い顔で答えながら、たぶん七杯目となる麺に紅ショウガを乗せる。
その隣では小さい体で四杯目に挑む六角が、青のりを山ほどかけたところでソースにむせて、俺に毒霧攻撃をしてきた。
「何やってんだお前は!」
「ごほっ! えーほっ! ……わざと」
「なおさら何してくれてんだこら」
「わはは! いいじゃねえか。しかしほんとに食い放題に向いてねえ奴だな」
「
「わけ分からんぞ毒霧魔人。お前だってあんまり食わねえじゃねえか」
「俺はセコンドに一之瀬を付けてる。トータルで勝負」
「だったら俺は三木をセコンドに付ける」
「……むう。強敵」
「わはは! じゃあ、俺は姫様にセコンドやってもらおうかな!」
ありえない、意味のない会話。
楽しくて、貴重で、やがて寂しい。
卒業を目前に控えたこの時期だから、なんだかキラキラした時間に感じる。
「姫、いいな。じゃあ、俺の一之瀬とトレード」
「俺とあいつが組んだら店が泣くわ」
「ほんとだ。勘弁してやれ。しかし一之瀬、何があってもこういうの来そうなイメージだったけど」
まあ、十河の買い物に駆り出されているようだし、来たくても来れないか。
「俺もそう思う。てか、断りながら血の涙流してた」
「……イメージ映像じゃない。ガチ」
「あはは。見たかったな。いつ? どこで誘ったの?」
俺は六角にくらった青のりをがさっと避けて、麺を
「昨日、シャマインで」
「もぐもぐ…………。は? いつ? どこで?」
「お前の耳が馬鹿なのか、頭が馬鹿なのか」
「……あるいは携帯の彼女と交信してた?」
「そんなアプリ販売されたら核戦争起きるわ。俺、昨日あのあたりにいたから」
「昼頃だったかな? シャマインの横から上の豪邸に出る道があってさ、そこで。例の四人が揃って
「三木も来るって言ったんだけど、四宮にいい感じのボディー貰って諦めてた」
まじか。あいつらが店に入る前の話だ。ニアミスだったな……。
十河と二人でいるところをこいつらに見られたら少し面倒なことになってたかもしれない。気を付けよう。
「じゃあ、もう一杯いっとこうかな!」
「しゃべりながらでも食うねえお前は。そろそろ親父さん泣くぞ?」
「普段はこんなとこまで昼飯食いに来れねえからな」
「俺も……、もう一杯……」
「お前は無理すんな。……おっと」
<今日はハンバーガーにした。微妙。
俺は焼きそば。微妙。>
<ははは。ならば明日の昼は一緒にうま
<いものを食べないか?
謹んでお受けします。 >
そうだ、今日の分、自信作。>
<麺と向かって渡して欲しいと思うのは
<わがままなのだろうか。
焼きそばでも食べてるのか?>
<ハンバーガーと言ったろう。
麺>
<うるさい
天才 □ 18歳 □ イチゴ屋さん花丸>
= 沙甜さんは地球一>
<文字化けしているぞ。地球一とは嬉し
<いが。
違うよ。これが問題。□に入るものを答え>
てください。 >
「なんだよお前。彼女でもできたのか?」
「うお!? 覗くなよ!」
いつの間に戻ってきたのやら、五代が箸を咥えながら携帯を覗き込んでいた。
「見た?」
「ってことは、やっぱ女かちきしょう! 誰だ!」
「……七色。そのお姉さんがお前に気のあるそぶりを見せるのは、お仕事だから」
「彼女じゃねえ。あと、携帯の中の子をキャバ嬢みたく言うんじゃねえ」
五代のやつ、カマをかけてきただけか。それなら十河だとバレるまい。
「……姫」
「そうだ! お前、姫様と仲良くなってたし……、まじか!」
「うそだろ? 安心してた時間、三秒くらいだったよ?」
「貴様! 就職も決まってて女も出来て! しかも相手が姫様だと!? 爆ぜろ!」
「仲良くなっただけで付き合ってねえ!」
「禿げろ」
「ハゲはいやっ! 後退してる気がするんだよな……」
「禿げてふられろ!」
「前頭葉禿げろ」
「うるせえ! あと前頭葉は誰だってハゲだ!」
俺は前頭葉を両手で隠しながら、自分の言った言葉に今更の疑問を抱いていた。
仲良くなっただけで、付き合ってない。
ここ数日、まるで恋人のようなやり取りをしてるけど、ちゃんと返事を貰ったわけじゃないんだよな……。
「まじか……。姫様とお前とか、ありえねえだろ。どうやって付き合えたんだよ」
「だから付き合ってねえ」
「やっぱり課金か……」
「無課金だ!」
「では薬か……」
六角のネタセンスは天才だと思うけど、自分に振られると頭が痛い。
こいつ、麺を口から伸ばしながら、まだ何か言いたそうな顔してるけど……。
「わけて?」
「薬も使ってねえ!」
「姫を」
「どうやってだ!? え? どうやってシェアすんだよ!」
「わはは! 俺は上半身を貰う!」
「そして俺が下半身」
「お前らが仲いい理由、よーっく分かった!」
ここで、タイムアップを知らせるベルがピピと鳴った。
入店した時に読んだ決まりでは、この時に残っている分をとっとと平らげて出て行かねばならない。
俺達は慌てて焼きそばを口に押し込んで、レジに向かった。
「……そう言えば、お前ら受験勉強はどうなんだよ。余裕そうだけど」
「たまには息抜きも必要」
「そうだよ、こんな田舎町に新しいショッピングビルがオープンしたんだ! 行かない手はねえ!」
こいつら……。
「気を張る時は、ゼロを維持するもんだ。1パーセントでも許可した瞬間、その数字は無限に膨れ上がる」
「わはは! くだらん! 今日は遊ぶぞー!」
「……そう。既に俺達は、ゼロパーセントではない」
「どうなっても知らんからな」
俺達は店を後にして、慌ただしく駆け抜けるように流れる人波と共に歩き出した。
その流れは急で、こんな何でもない楽しい時間が残り少ないことを
……それに
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
十河と一緒に見たい物見つけた。今度一>
緒に来よう。 >
<あたしも、さっき実に心に響くものを
<見つけた。写真を撮っておけばよかっ
<た。一緒に見る約束は、保留。
……保留ってなんだ?
すごく気になるが、それを聞いていいものかどうか。
「いやあ、まいった! さすがにオープン初日だな!」
「安い?」
「いや、目ぼしいものが軒並み売り切れって意味だ」
駅前、オープン初日のショッピングビルは多くの人で賑わっていた。
そんな中、ビルの中を走りまわっているのは五代だけ。
俺と六角は店内ベンチのすぐ隣、花壇の縁に腰かけている。
ここに腰かけることが出来たのはむしろ
どこもかしこも人、人、人。
人ゴミに酔ったり、立ち疲れたりする人が腰を下ろす場所を求めてさまようのも仕方ない。
まあ、俺達が座り込んでるのはそんな理由じゃないんだけどね。
「俺はこれから腕時計見に行こうと思ってるんだけど……、大丈夫か、お前ら」
「眠い」
「焼きそばが出そう」
「無理そうだな」
昨日、十河は俺の作った暗号を心から楽しんでくれた。
それが嬉しくて、以前から考えていた大作に挑んでみたのだ。
試行錯誤、数字だらけのルーズリーフ。
三時頃になってやっといい感じの作品が出来て、一度はベッドに入ったのだ。
だが、少し気になって確かめ算をしてみたところ、
慌てて作り直してみたものの、いくつ作ってもこの作品より文面が強引で見劣りがする。
結局、やっと納得のいく物が出来上がったのは待ち合わせの三十分前。
つまり、一睡もしないで今に至るというわけだ。
「ゲームでもしてたのか? まあ、眠いってのはありがちとして、食いすぎて動けないとか情けねえぞ、六角」
「そんなことは無い。眠い方が情けない」
「いやいや、食い過ぎの方が情けないって。たくさん食える男はモテるだろ?」
「五代はモテないだろうに」
「なんだとこのやろう」
二人が口喧嘩を始めたので、俺は客席から楽しむことに決めた。
普通なら周りの目が気になって止めるところなのだが、店内にかかる音楽と人が作り出す
むしろ、テンポのいいやり取りは漫才かラップか。
無秩序な騒音の中では心地よくすら感じる。
そんな二人の向こうには、一つ上の階から下がる巨大なシャンデリアが見えた。
ビルに入って見上げた時には素晴らしいものに見えたのだが、こうして近くから見るとそれなり雑な作りが
十河に見せる時には、一階からにしよう。
……まあ、見せる時と言っても、保留されているわけだが。
ほんと、保留って何のことだろう。……おっと。解けたのかな?
<解けた。1031×1831ー1583
<870=303891だ。お前は天才か
<?
正解。解けた十河の方が天才だよ。>
<計算用紙が真っ黒だ。沙甜=サーティー
<ンが美しいな。七色は地球一の天才だ。
褒めすぎ。居心地悪い。>
<お前の問題の方が居心地悪いぞ。褒め過
<ぎだ。だが、あたしから花丸を引くのは
<いただけない。その場合は = 0。
十河の体がすべてイチゴで出来ていたと>
は。だから甘くて、地球一なんだ。 >
<そんなあたしを形成する、あそこのイチ
<ゴこそ地球一。
初任給出たら高いのを注文しよう。>
<楽しみに覚えておこう。だが、保留。
さっきからなぜ保留? >
レトリビューション・チェーン外れ>
た? >
<まて、確認できる所へ移動しよう。
<試着室のある店を発見。
<見るなよ?
笑 指目指>
<見るなと言っている。
<指→目
痛い。だが、まだ片方残ってる。>
<チョキ→目目
まいった。外れた?>
<うむ。確認するか? 冗談で写真を撮っ
<た。なるほど、貴様からはいつもこんな
<感じに見えるのだな。
み>
「長い」
……携帯の画面を、六角につつかれた。
「送信しちゃったじゃねえか!」
早くフォローしないと姫がぶーたれる。
そう思って携帯の画面を五本の手で操作したのだが、早く打てるどころかめちゃくちゃになった。
「じゃまだ馬鹿ども! ええい、この
「どれどれ。……わはは! めちゃくちゃな文章の中にパンツって二回出てる!」
「このまま送信してやる……。おい、紋所の電源切るな」
「ちょっと待っててくれよ。これフォローするだけだから」
「ちきしょう! 俺達より姫が大事だってのか!? そうなのか!」
「そりゃあそうだろうよ」
「こうなりゃ、根掘り葉掘りすべてを聞き出す! 行くぞ!」
「当然」
「おいおい、どこに行くんだよ?」
俺は携帯をポケットに押し込みながら慌てて後を追うと、前を歩く二人がそれぞれ目的の品を口にした。
「ブラインド」
「かつ丼」
「売ってないと思うよここには」
やれやれ仕方ない、ここはこいつらを優先だ。
携帯も十河の気持ちを表すかのようにブーブー
苦手な人込みにもまれながら、俺はようやく二人に追いついた。
だが安心した直後、足を止めた五代の背中に鼻をぶつけた。
「いだっ! せめて今日ぐらい痛みとは無縁の生活したかったのに……」
「ぶつくさ言ってんじゃねえ! 急ぐぞ!」
「任せろ」
「ちょっ……、何なんだよお前ら」
俺を捨て置き、こんな人ごみの中をスイスイと進む二人の行く先には、小さな子供が泣いている姿があった。
「……まじか」
俺は子供に駆け寄る二人を見て、呆然と立ち尽くす。
……二人とは、よくつるんでいた。
でも、二人のことを良く知っているかと問われれば、ついさっきまでなら「そこまでは」と返事をしていたと思うし、今だったら「まったく知らなかった」と答えるだろう。
いい加減なお調子者。大事な時にはすぐ逃げ出して、他人が困っていても見て見ぬふりをするような、そんな奴らだと思っていたのに。
「七色! おせえぞ!」
「わ、悪い。迷子か?」
「そのよう。センターへ連れて行く」
素早い判断。大胆な行動力。
五代は子供の身長に合わせてこれでもかと縮こまりながら笑顔を見せ、六角は子供と手を繋いで携帯を操作している。多分、ビル内の迷子センターの場所を検索しているのだろう。
携帯が震えているが、今は後回し。俺も何かできることは無いだろうか。
そう言えばこの前、子供が転んだ時に見せた十河の反応も素早かった。
これが普通なのだろうか。
……俺は、普通では無いのだろうか。
「まて六角。迷子センターはだめだ。俺は小さいころ連れていかれて、警備員がトラウマになったんだ。手間だが、このままお母さんを探そう」
「確かにあれは怖い。賛成」
立ち尽くす俺の前で五代は肩に子供を担ぐと、今度は六角が俺の知らなかった姿を見せた。
「迷子です! 協力してください! この子のお母さんが近くにいるはずです!」
小さな体からは想像もつかない大声。
喧騒ごとのみ込んで余りある
そんな時、電話の着信音が響いた。
俺は、やることが出来たと
するとそこには、こんな姿を一番見られたくない相手の名前が表示されていた。
「もしもし。すまん、今は……」
「七色! 緊急事態だ! 今すぐ手を貸してくれ、アドバイスでも構わん!」
「ご、ゴメン、俺も緊急事態なんだ。終わったらすぐ行く」
「出来れば早く! どうだ二条! 四宮は三階を! 手が空いたら連絡を……」
その時、割れた人込みの先と携帯。両方から同じ叫び声が響いた。
真っ青な顔をした女性の手を引く、黒髪の女の子。
あれは、
「……十河」
「まさか、七色?」
声の届く距離で、お互いの名前を携帯につぶやく二人。
そんな俺達を追い抜いて、女性と子供が駆けていく。
「ままー! まーまーー!」
「あきら! ああ、あきらー!」
俺達を囲む人々から、安堵のため息と小さな拍手が生まれた。
すると携帯から笑い声が聞こえてきたので、俺もつられて笑ってしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ちょっとファンキーなデザインが有名な洋服屋さん。
その店内で馬鹿騒ぎする四人組と、それに頭を痛める二人組。
俺と十河は、そんな六人の姿を店の外から眺めながら立ち話をしていた。
「俺は、いざって時に役に立てない男だと思い知らされた」
「それは勘違いだ。あたしが消えかけた時のことを覚えていないのか?」
「あれは偶然だって」
「ばかを言うな。もし、本当にあたしが消えることになっていたなら。もし、あれが謎を解いたこととして認められていたなら。……あの時、お前は間違いなくあたしを救ってくれた英雄だったのだぞ?」
「いや……、実を言うと、今の迷子騒ぎで思い知らされたんだ。五代も六角も凄かったんだぞ? 俺は、何もできなかった……」
同級生という存在は酷なものだ。誰もが自分より優れた部分を持っているから、どうあっても自分が下に見えてしまう。
それが、勇敢に属する物だったり善行に属する物だったりした場合のショックたるや相当なもので、俺は自分の未熟を未だに恥じ続けていた。
「お前がどう思おうと勝手。そう言いたいところだが、何もできないと落ち込むばかりでは困る。そんな男に救われたと皆に自慢するあたしの身にもなれ。これからは気を張って過ごせばよい」
「……なるほど。十河のためにも頑張らないと」
優しくて、そして厳しい十河の物言いに救われた気がする。
この黒髪ロングのクールビューティーこそ、十河
俺が恋い焦がれ、そして告白以来少しずつ仲良くなっている王女様だ。
「でも、よかったね」
「そうだな。よかった」
彼女は万人に優しい。
きっと、子供の姿が見えなくなって
そんなところに憧れて、かつては自分などにはふさわしくないと遠ざけていたこともある。
でも今は、お互いの考えていることなど言葉にせずとも分かるほどになってきた。
「子供の方、大変だった。可愛そうで見てられなくて」
「なるほど。子供は通信手段を持たないからな、面倒な話だ」
……ん? なんだ、今の返事。
俺は十河の氷のような横顔を観察してみたのだが、その無表情は、彼女の心情を物語ってくれなかった。
「一人にさせては、事故に巻き込まれる可能性も高い。なぜ保護者は手を離すのか」
「……うん」
気のせいか。
なぜか、冷たい態度を感じたような気がしたんだけど。
「保育施設や知人に預けて来るべきだろう」
「なに言ってんだよ。子供と楽しもうとして連れて来たんじゃないか」
「なぜだ? 遊ぶならともかく、買い物に連れてきても意味などあるまい」
……まさか。
さっきの冷たい態度、気のせいじゃなかったのか?
「違うって。お前、間違ってる。……十河は、子供と一緒にいると楽しいだろ?」
「遊ぶなら楽しいさ。だがそれとこれとは話が違うだろう。ショッピングを共にするなどまったく意味が……、おっと、皆が出て来たな」
重要な話を中断させられて不安を感じる俺の目に、皆の笑顔が突き刺さる。
共に買い物に来て最も意味のある同級生。彼らは心から笑い合って、戦利品を互いに自慢していた。
「なに? 上にバッティングセンターがあるのか? でもそれ、お高いんでしょ?」
「あるいは混み合っていそう」
「驚いたことに
「そりゃ行きた……くは無いです姫様」
五代と六角に口説かれかけた一之瀬が、十河を見ながら慌てて襟を正す。
「よい。どうせお前は荷物持ちだ。今まで買った分を持って行くならかまわん。十六時に一階のエントランスホールで待ち合わせだ。あと、姫ではない」
「あ、ありがとうございます姫様! よしお前ら! 行くぞ!」
「よっしゃ! ……おい七色! 早く来いよ!」
俺は少しだけ渋ったが、みんなの前で下手なことは言えない。
仕方なしに、心に暗いものを抱えたまま皆の後ろを歩き出した。
背中に感じる十河の視線。でも、それも勘違いなのだろうか。
振り返るのが怖くて、俺は三人の背中を見つめたまま歩き続けた。
自分よりも大きな背中が二つ。小さいけど勇敢で堂々とした背中が一つ。
彼らに取り残されているような不安を感じて、足が自然と早く運ぶ。
「七色が姫を助けたぁ? その話、詳しく教えろよ!」
「吐け。ブラインドとかつ丼は後で準備してやる」
「詳しくは言えないんだよな……。七色も口止めされてるんだろ?」
「あ、ああ」
俺の返事につまらなそうな表情で返す三人を見て、さらに距離を感じた俺は、逃避的な行動をとった。
つまり、ポケットから携帯を取り出したのだ。
皆といる時に携帯を触ると気持ちが離れる。そんな話をよく聞くが、それは少し違うのではないだろうか。
気持ちが離れているから、携帯を触りたくなる。つまりはそういうことなのだ。
とは言え、十河とのやり取りをこんな気持ちで読み返していいのだろうか。
文脈の隙間に、行間に、在りもしない不安の種を見つけて余計に落ち込むことになるのではないか。
そもそも、不安の原因は十河によるところが大きい。
朝から何度か目にした「保留」という言葉。
さっきの、妙に冷たかった態度。
俺は胸中に渦巻く物を、すべて彼女のせいにしながらコメントを見た。
……だがそこには、さっきまでの自分を叩き壊したくなる、そんな言葉が
<女性が、子供がいないと狼狽している。
<助けて欲しい。まずは話を聞きたいのだ
<が、こんなに取り乱す者をどう落ち着か
<せればよい。親も子も持ったことが無い
<から分からんのだ。
……十河は、親子の愛情を知らないだけだったのだ。
それなのに俺は、彼女を責めるような言い方をしてしまった。
だけど…………、親を持ったことが無いとは、どういうことだ?
「一之瀬! 教えてくれ!」
「どうしたよそらの字。姫様の方に付いて行けないからってそんなに怒んな」
「そうじゃなくてさ、お前ら悪魔って、転生する前にすべての記憶を封印されるんだよな」
「そうだけど? いまさら?」
「で、人間の両親に育てられる」
「なあ、ほんとどうした? 変なもん食った?」
三人は足を止め、眉根をしかめて俺を見る。
それはそうだ。こんな話、ここいらでは常識だ。
「だから、俺たち人間とまったく同じ。愛情も友情も知りながら成長する。違いがあるとすれば、ネックレスに刻まれた魔族としての誇りだけ」
「さっきからなんだよ……」
「なら、十河はどうなんだ? 親がいないって、どういう意味だ?」
とうとう心配顔になってしまった二人とは対照的に、一之瀬にはようやく合点がいったようで、なるほどなと前置きしてから説明してくれた。
「姫様は記憶を全部引き継ぐから、転生しても親はいないんだ。転生したばっかりの頃は、魔族の女性が四交代制で、二人ずつ張り付いてお世話する。三歳くらいになったら一人で生活するんだ」
そして、優しい笑顔で俺の肩を叩き、
「だから、そんなに心配そうな顔すんな。姫様に親がいないのは普通の事だから」
一之瀬はそう言って、再び歩き出す。
俺は返事をしなかったが、一つのことに気付いていた。
……それは、普通の事じゃない。
十河が恋愛感情を理解していないといつも言うのは、誰とも付き合ってこなかったせいだと思ったことがある。
じゃあ、ひょっとしたら、親子の感情も?
……だとしたら、そんな寂しいことは無い。
彼女は何度転生しても、親の愛情を知らずに生きていくことになる。
俺は、携帯のメッセージを指でなぞってみた。
でもそこから感じたものは、画面の冷たさだけだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一階で十河と合流した俺達には、なかなか過酷な罰ゲームが待っていた。
ゲームのルールを説明すると、紙袋や段ボールが移動するたびに五代と六角の腕が地に落ちていき、三木と四宮の肩が軽くなるというものだ。
俺の担当は十河なのだが、もともと彼女が重い荷物を持たされているはずもなく、大した苦労は無い。
五代に箱を積み上げる遊びに夢中になっている皆を見て、十河はくすくすと笑っていた。
俺はそんな彼女に近付いて、小声で話しかけた。
「ごめんな、さっき。冷たいこと言って済まなかった」
「ん? 何の話だ?」
「お母さんが、子供を連れてここに来ていた理由の話だよ」
「ああ、続きを聞かせてくれないか? なぜ連れてきたいと考えるのだ?」
あの時、俺は十河が冷たい発言をしたと感じて、ついむきになって反論した。
でも、十河はそのことにすら気付いていない。
そして今もただ、疑問だけを俺にぶつけて来る。
「……親子の愛情、本当に理解してないんだな」
「恥ずかしい話なのだが。……それより、なぜお前はあたしに謝ったのだ?」
「十河からの連絡、あの後に読んでさ。お前が親子の愛情を理解してないのに、俺はお前のことを非難した」
「別に、非難されるのは構わんのだが。お前が間違っていると教えてくれるのは、あたしにとって貴重な事なのだ」
いつものクールな無表情から、今日は温かみを感じない。
陶器の肌に、氷で作られた瞳。
でもそう感じているのは俺だけで、彼女は感覚の違いを、ただの知識の隔たりとしか捉えてはいなかった。
「いいか、十河。……これは、恋愛と一緒だ。その体験をしないと本当に分かったとは言えないよ」
「……ならば、あたしは一生、親子の愛情は理解できないというのか」
十河の瞳が、目の前を通り過ぎる親子を見つめている。
子供がはしゃぎ、父親は疲れた無表情の口端に、確かな笑みをにじませながら手を引かれていく。
「それは、寂しいものだな」
暖かな音楽と笑い声に包まれた空間で、温度の無い言葉が十河の口から響く。
先に出発した六人を追おうともせず、彼女は俯き、そして目を閉じた。
「あのね、十河。俺は、お前の寂しいを全部消すために生まれて来たんだと思う」
顔を上げた十河の目は、少し潤んでいた。
愛情を中途半端にしか知らないくせに、寂しいって気持ちだけは誰よりも強く感じるなんて。
そんな不公平、俺が何とかしてやる。
「消す? どうやって?」
「俺が、お前の父親になってやる」
俺たちの世界から、音が消えた。
「……は? お前がばかなのか、あたしの耳がばかなのか、どっちだ?」
「俺は年齢差なんか気にしないぞ?」
「あたしが気にする」
「十河のためならなんだってしてやる」
「いやだ」
「おむつもお風呂も任せとけ」
「絶対に嫌だ」
「嫌って言うな。娘が父親を選べるとでも思ってるのか?」
十河が、とうとうこめかみを押さえてうずくまってしまった。
この反応、俺としては嬉しく無い。
「頭を抱えるのも当然だと思うけど、俺が教えてあげたいんだ」
声は落ち着いているけど、言葉には熱を込めている。
それを感じ取ってくれたのだろうか、十河はため息をつきながらも優しい笑顔を浮かべて立ち上がった。
「面倒な奴だな。じゃあ、次に転生した時には頼むとしよう」
「いくつまで待たなきゃいかんのだ。それじゃ父さんと言うより爺さんだ。しかも俺の方が長生きしなきゃ叶わんだろう。そんなの嫌だ」
「しつこい。……ではこうしよう。さっきお前が言っていた、あたしに見せたいものが素晴らしかったら言うことを聞いてやる」
「……ほんとだな?」
「本当だ。だが何を見せられても、あたしが見せたかったものに比べたら下回ると思うがな」
「下回ったら失格か?」
「もちろんだ。しかも、あたしは何があってもお前が上だとは言わないらしいぞ?」
じゃあ意味ないじゃん。
俺の不服顔を楽しそうに眺めながら、十河はしつこく絡み続けた。
「ほら、早く連れていけ」
「それが……、その……」
「なんだ? 時間を稼いでまた後日、などと言うようならこの話は無かったことにするぞ?」
うむう、万事休す。
俺はしぶしぶながら、上を指差した。
「……なんのつもりだ?」
「シャンデリア。綺麗だろ?」
言われるがままに上を向いた十河は、ほとほと呆れたと言葉にする代わりに、鼻から大きく嘆息した。
「……困った奴だ」
「自信あったんだけどね。……返答は?」
「あたしが見せたかった物も、これなのだ」
困った表情のまま、十河は俺を上目遣いで見つめる。
そして俺が噴き出すと同時に、大きな声で笑い出した。
二人でいると、
二人でいると、
……一人でも、笑うことくらいできる。
ならば二人でいる意味はあるのだろうか。
ああ、意味はあるさ。
二人じゃなければ、笑い合うことはできないんだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ふらふらと、よたよたと、とても歩く速度と呼べないような歩みで進む皆に追い付くことは容易なことだ。
でも、俺と十河は彼らと距離を取って、ゆっくりと歩いていた。
どちらからということも無く、いつもの半分ぐらいのペースで、のんびりと足を運んでいた。
「コミュニケーションツール、便利だけど、やっぱり直接話せた方がいいね」
「そうか? これはこれで好きだぞ?」
「読むタイミングとかで、さっきみたいな
「別に今日のを諍いとは思わんが……、いいではないか。あたしは花丸で、それを学んだ。ケンカできるのも、しょぼくれて泣きたくなるのも、いいものだ」
「それは……、父さんとは、携帯を通して話したいと。直接話すのは嫌という意味だろうか、娘よ」
「それ、もうやめないか?」
前を歩く皆から、大きな笑い声が響く。
円陣を組んでいて六角の姿が見えないということは、きっと荷物を無理やり積まれているのだろう。
今日は、あいつらが自分より先を歩いているような気がしていた。
何かに置いて行かれるようで、不安な気がしていた。
今も、彼らは遥か先を歩く。
……でも、俺の隣には十河がいる。
誰がどこを歩こうと構わないじゃないか。
二人で歩けるなら、それだけでいいじゃないか。
「とにかく、俺はこれ苦手だ。できるだけ直接話したい」
「会話が残るというのは、いいものだぞ?」
「それはそう思うけど……。見落としがあったから、十河に酷い物言いをした」
俺は、空いている方の手で携帯を操作した。
さっきの、母親を見つけて助けを求める十河の言葉。
今もそこには冷たい感触が残っていた。
「いつまで気にしているんだ。今日は随分とローテンションだな」
「うん……。いろいろ思い知らされたからね」
「だから、父親とか妙な事を言い出す」
「妙じゃない。俺は、お前に寂しい思いなんかさせん」
「……そうか。お前はいつも、あたしを愛してくれているのだな」
急に照れくさいこと言うな。
恥ずかしくなって返事のタイミングを逸した俺は、携帯に目を落として誤魔化すことにした。
そして……、画像付きの未読コメントがもう一つあったことに気付いた俺は、携帯を見つめながら石化して、荷物を落とした。
「ばか者。あたしがあれなので割れ物は入っていないが。落とすとは何事か」
「お…………」
「お?」
「お父さんはこんなエッチなパンツ! 絶対に認めないからな!!!」
「…………あれか? 馬鹿を言うな。送ってない」
こういう時、相手が見たと言っているのに、確認せずにいられないのはすべての生物に埋め込まれた本能なのか。
十河は自分の履歴を見てやっちまったことにようやく気付くと、ぷるぷると震えながら低いトーンの音を発した。
「……………………消せ」
「消せないって」
「アカウントごと」
「馬鹿言うな! 他にもデータがあるし、それに娘の成長記録くらい父さんには見る権利が……………………、怖いです、娘」
娘が、般若になった。
「じゃあ、代わりにこの世から父という存在をすべて消す。まずは一番側にいる父親からだ」
「はい。アカウント消しました」
くう、俺の娘の成長記録。
「……まだだ」
「いやいや、これ以上何を消せば気が済むんだよ」
「記憶」
「どうしろと!? 殺す気!?」
「安心しろ、痛いのは一瞬だ。転生したら、あたしが母親になってやるぞ、息子よ」
「母親って……、それはやだ! 断固拒否だ!」
「それみたことか。あたしがさんざん嫌がっている意味が理解できたか」
俺達はふくれっ面でにらみ合い、そして、笑い合った。
いつもなら電撃と共にくっ付いてくるタイミングだが、今日は荷物があるし、皆も気付いてしまうから諦めたのだろう。
でも、俺の腕は感じていた。
十河の体温と、甘いびりびりを、ずっと感じていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
……
…………
………………
あたしの屋敷の一角。
地階にある倉庫にて、本日購入してきた資材を分別する。
サーバントの皆は文句も言わず作業を進めているが、今日は朝から働き詰めだ。少し休憩を入れるべきだろう。
「皆、一旦手を止めよ。少し息を抜いて、頭の中を整理してから再び作業しよう」
休憩の宣言は、彼らの肩から緊張を取り除いたようだ。
誰もがストレッチなどを始め、お互いに声を掛けていたわり合っている。
「姫様もお疲れでしょう。飲み物など準備しましょうか?」
「よい。さすがにそれはすべて終わってからにしよう。二条は疲れていないか?」
「私は大丈夫ですが……、おい、一之瀬。らしくないな、もうへばったのか?」
「すまん。ちょっとバッティングセンターで羽目を外しすぎた……」
一之瀬は、運びかけていた大きな木箱を床に置いて、それにもたれかかった。
力持ちとは言え、さすがに限界はあろう。
あたしを含めて、皆があいつに甘えすぎる
「よいのだ。男性陣にはこれだけの荷物を運んでもらったのだからな。無理せずゆっくり作業しろ」
「ありがとうございます。しかし、三人も男手が増えて正直助かりました」
「そうだな…………、ふふっ」
「どうしました、姫様。……思い出し笑い?」
「ああ、七色め。……あいつは、あたしと付き合う気が無いらしい」
「「「「ええっ!?」」」」
ふふっ。皆が驚きに満ちた表情であたしを見つめている。
あたしにも、謎を作る才能があるかもしれんぞ、七色。
「なぜだか分かる者はいるか?」
「いえ、皆目見当がつきません」
「うむ。ならば理由を知りたいか?」
「そ、そりゃもちろん……」
「あたしが、親子の愛情を知りたがっていることは知っているだろう」
「ええ。日々研究なさってますよね」
「……あいつは、それを教えるためにあたしの父親になると言い出した」
答えを聞いて、皆が柔らかい笑顔を浮かべてくれた。
あたしもきっと、同じ表情をしていることだろう。
皆が七色の気持ちを理解してくれて、心から嬉しい。
「七色君、本当にいいやつですね、姫様」
「でも、だからこそ、その願いを叶えるわけにはいきませんね」
女子二人は、さすがに
「ああ、もちろんだ。あたしは、あいつと親子になるわけにはいかん。親子では付き合えないではないか」
「……とうとう、はっきりと口に出されるようになりましたね」
「う、うるさい二条」
あたしの𠮟責に酷く
だが、あたしは思うところがあって、一緒に笑うことが出来ずにいた。
……付き合いたい。だが、今のままの関係でもいたい。
あたしは酷い女だ。彼の想いに対してはっきりと返事をするべきところ、引き伸ばし続けた。
それでも彼は、常にあたしに手を差し伸べてくれた。
あれだけ素晴らしい男だ。あたしのように面倒で、恋愛を理解できていない女などにはもったいないとすら思う。
だが、間違いなくあたしは彼を好きだ。
その気持ちに応えるために、恋愛感情とは何なのか確かめに行かねばならない。
人間との恋愛の許可を手に入れねばならない
七色の為に行きたい。だが、その七色のせいで、あそこに行くことを
……今の関係を続けるわけにはいかんのだろうか。
できることなら、このままずっと……。
………………
…………
……
一体、どれだけの時間黙想していたのだろう。
気付けば、皆が心配そうにあたしの顔を覗き込んでいた。
はっきりさせねば。この暗号、答えの候補は三つだ。
一つは、彼を諦める。……我ながらばかばかしい。選択するはずのない解答だ。
一つは、このままの関係を続けること。魅力的だが、あたしはその間、罪の意識に
……携帯が鳴動している。
床に置いた携帯を拾い上げて、メッセージに目を通す。
そして一度読み切り、再び頭から読み直す。
三度目を読み終えた今、あたしは、涙を止める術を持たなかった。
<たとえ生まれ変わって、二人の関係が親
<子になったとしても、兄弟になったとし
<ても、俺は十河の恋人でいたい。
<身分が変わっても、種族が変わっても、
<外見が変わっても、性格が変わっても、
<十河が違う名前だったとしても、俺はこ
<の気持ちに絶対気付くと思う。
<
<あなたのことが、永遠に好きです。
……あたしは、覚悟を決めた。
「今日買った資材! 倉庫にしまうのはやめだ! 美優と飛鳥に連絡を!」
事情と状況、そしてあたしの想い。それらをすぐに理解してくれた皆の動きは迅速だった。
そんな中、四宮が心配を目元に
「…………七色は、何と言うでしょうか」
返事はできなかった。
だが、あたしから彼に言う言葉は決まっている。
……覚悟しておけ。
あたしの言う永遠は、本当に永遠だぞ。
続く。
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