第26話 CTC加工の紅茶について

 よく100円均一や雑貨店の紅茶コーナーに置いてある、金属や樹脂製で穴がいくつか空いており中に紅茶葉を入れて熱湯に浸し紅茶を淹れる、『ティーストレーナー』というものがあるのをご存知でしょうか。形も、球やティーポットや貝やダイオウグソクムシなど、色々可愛いものがありますね。


 しかし、ちょっと困った事が。大きめの紅茶葉だと充分な量が入れられず、細かく砕けた茶葉だと穴からすり抜け、ちょっと扱いが難しいと思った事はありませんか?


 そんな時に、そのティーストレーナーの中に入れるのに最適なのが、このCTC加工された紅茶葉なのです。そんな訳で、今回はCTCの紅茶についてのお話です。


 CTCとは、crush(押しつぶす)・tear(引きちぎる)・curl(丸める)、という加工を紅茶葉に施し、小さい顆粒状にしたものを指します。加工行程の頭文字を取って、CTCと言う訳です。


 前述したティーストレーナーでは、茶葉の投入口が小さいため、普通の紅茶葉では入れるのに手間がかかりますが、このCTC加工をした紅茶葉なら顆粒状なため、意外とすんなり入ってくれます。(やはり多少はこぼれはしますが)

 また丸めてあるため細かく砕けた茶葉が出にくく、ティーストレーナーの穴からすり抜けるのも、少なくなります。(やはりちょっとは出ますが)


 またこのCTCの紅茶は、成分が早く抽出されやすくなっているため、短い蒸らし時間(1分ほど)でも充分な味と香りが出てきます。そこも、ティーストレーナーには適している点です。


 ただ問題点もあります。それはバリエーションが少ない事。だいたい日本で販売されているCTC紅茶のほとんどは、アッサムやケニアといったミルクティー向きな紅茶です。ダージリンなどの香りが際立った紅茶は、この製法では作られていないようです。

 販売についても、紅茶専門店では簡単に入手出来ますが、雑貨店などではあまり扱ってはいないようです。


 そんな紅茶も存在するという事、良かったら心の片隅に置いておいて下さい。


 ちなみに私の場合、ロイヤルミルクティーやマサラチャイを作る時に、このアッサムCTCの茶葉を使用しております。ミルクや砂糖・スパイスの味わいに負けない紅茶の風味が出るためです。しっかりとした味わいになりますので、オススメですよ。

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