第24話【番外編】ティーカップとコーヒーカップの違い

 そんな訳で今回は、コーヒーに最適なカップと紅茶に最適なカップ、その違いについて書き上げて行こうと思います。相変わらずの箸休め的コラムですので、お気楽にご覧下さい。


 まず、「コーヒーと紅茶のカップは違うの?」と思われる方々が多いと思われます。実は微妙に違いがあるんですね。普通は区別せずに使っておられるかと。





 コーヒーはドリッパーで淹れる際、ひと冷ましした湯を使用するため、若干ですが出来上がりの温度が低くなります。お店によっては電子レンジなどで温めてから提供しますが、あまり熱くはならないようです。またエスプレッソに関しては、量そのものが少ないため、冷めやすいです。そのためなるべくぬるくならないよう、カップは厚みのあるものが最適と言われています。当然湯通しして温めておくのは必要ですが。


 紅茶はその香り・液の色を観るため、浅くて縁が広がり、縁が薄くて口当たりが良いものが良いと言われています。紅茶の抽出に関しては、熱湯を使ってさらにティーコゼーなどで保温をしますので、熱々で提供できるため、カップそのものの保温性を高める必要は無かったようです。それでも、カップはちゃんと温めておきますが。


 それから材質も違いがあります。コーヒーは釉薬をかけて焼いた陶器が多く、ぬくもりのある印象のカップが多いようです。それに反して紅茶の場合は、陶器の土に『骨灰こっぱい(ボーンアッシュ)』を混ぜて作られた『ボーンチャイナ』が最適とされています。軽くて丈夫で綺麗な白で、紅茶の液の色が映えます。





 また種類数も違いますね。


 コーヒーは、普通のドリップコーヒー用・エスプレッソ用のデミタスカップ・取っ手の無いカフェオレボウルなど、種類が多種多様です。それに反して紅茶は、形は様々なタイプがありますが基本的にはティーカップ一種類。


 この差は、淹れ方の多様性の違いがあるかと。コーヒーは様々な淹れ方がありますが、紅茶は基本のティーポットで淹れるのが最適ですし。こういった所で、差が出ているようです。






 そして、綺麗なティーカップでコーヒーを飲んでも、素朴な印象のコーヒーカップに紅茶を注いでも、そこは召し上がる方々の好みですから大丈夫なのですが、普段使うカップでは、紅茶用とコーヒー用に別けた方が良い事を提案します。


 特にコーヒーを入れているカップでは、コーヒーの香りが染み付いてしまっていますので、紅茶の香りが邪魔されてしまう事があります。香りに敏感な方だと、紅茶を飲んでいて「あら、コーヒーの香りだわ」と気付かれる事もあるそうです。私の師匠がそうでしたから。






 そんな訳で、紅茶とコーヒーのカップの違いをお伝えしました。宜しければご参考になさって下さい。

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