第23話 日本で作られる紅茶

 日本では、古くから緑茶を生産しておりました。そして紅茶と緑茶は製造行程が違うだけ。世界で飲まれているのは紅茶が主流。そんな理由もありまして、日本でも紅茶を生産しています。


 今回は、その純国産の紅茶である、『和紅茶』とか『地紅茶』と呼ばれるものについて、お伝えして行きます。





 日本での紅茶の生産は、外国への輸出向けという事で、明治時代あたりには色々と試行錯誤をされていたと言います。ただ、生産を失敗をしたりとあまりうまくは行かず、1971年の日本における紅茶の輸入自由化が契機となり、一旦日本国内での紅茶の生産は衰退してしまったのです。


 現在、紅茶の生産は少しずつではありますが行われており、その地方の特産物や地域振興の一環で生産されたりしています。そのため、生産された地域の名前がついた紅茶として、道の駅やアンテナショップなどで販売されております。


 また、ダージリンなどに出向いてその製造の研修を受けたり、なかなか情熱を持って作られているようです。


 茶樹に関しても、紅茶に向いている『べにふうき』などの品種を選抜したり、従来からある緑茶向き品種『やぶきた』などを紅茶にして香味を調べたり、手間をかけていると聞きます。





 ここまで書いてきましたが、私がこれまでいくつかの国産紅茶を味わってきての感想を述べさせて頂きます。やはり、ダージリンなどの紅茶の香味と比較すると、若干の物足りなさを感じてしまいます。


 その国産紅茶にもよりますが、ダージリンのような華やかさ、アッサムのようなどっしりとした味わい、ニルギリのような軽やかさとコクが同居する風味、そういった特徴があまり感じられず、少し薄っぺらい印象の国産紅茶が大半の様子。


 今時のペットボトルのお茶を味わってみるとお分かりかと思いますが、紅茶や緑茶などが本来持つ『渋味』や『苦味』がほとんどありません。飲まれる消費者の嗜好が、そういった味わいを忌避するような傾向にあるようで、それに引っ張られる形で、国産紅茶もあまり渋くないようにされているのかと。


 中には美味しい国産紅茶もありますので、もし店頭などで見かけましたら、お試しで試飲が出来ればしてみて下さい。それから購入しても遅くはないかと。





 ともかく、更なる発展が期待されます。温かく見守りましょう。

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