第15話 紅茶とその香りについて

 紅茶と言うと、「香りを楽しむもの」という印象があるように、心を落ち着けるその香りに魅了される方々もいらっしゃるかと。今回は、その香りについてクローズアップしていこうかと思います。


 まず紅茶が苦手な方に、紅茶のどこがイヤなのか聞いてみた所、

「化粧品臭い」

という答えが返ってきた事がありました。


 ここで言われる香りは、『フレーバードティー(着香紅茶)』に分類される「後から香料などで香りを追加した紅茶」であることがほとんどのようです。


 こういった後付けの香りの場合、メーカーでの香りの付け方によって大幅に印象が代わることが多々あります。特に柑橘系の『ベルガモット』の香りを付けた『アールグレイ』の場合、それぞれのメーカーでもかなり違ってきます。


 私も、香りがきつく付けられているアールグレイを頂いて、飲むのに苦労した経験があります。こういうものの場合は、部屋の芳香剤にしてしまいますね。






 しかし本来の紅茶の香りはもっと穏やかで、かなり近くにまで鼻を近づけたり、飲み込んだ後に鼻から抜ける香りを感じたりと、そういう風にしないと感じられないものが多いです。


 その紅茶本来の香りも多岐に渡り、

●ダージリンに代表される、マスカットのような香り

●アッサムの、濡れ落ち葉のニュアンスの香り

●セイロン紅茶に共通する、薔薇のようなゲラニオール香

●ウヴァの香りの特徴とも言える、メントール系の香り

●青っぽい印象の、青葉(しょうよう)アルコール

●レモンにも似た、リモネンの香り

●中国キームン紅茶が持つ、蘭の花に例えられる香り

などなど。


 中には、松の薪を燃やしてその煙で乾燥・香り付けをする『ラプサンスーチョン』という紅茶もあり、薬の正露丸の香りがしますので、人によっては「くっさー!」となりますね。


 紅茶の香りと一口に言っても、これだけ様々な種類を複合的に持っていますので、お召し上がりになる時は、ちょっと注意をしてみて下さい。また楽しいものですよ。


 なお、香りの嗅ぎ過ぎでわからなくなってしまった時は、手の甲のにおいを嗅ぐとリセットされるそうですので、お試し下さいませ。

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