第12話 アイスティーの歴史

 またこちらでの紅茶のコラム、更新して行きます。

 今回は『アイスティーの歴史』なんてタイトルにしていますが、そこまで難しいモノではありませんので、軽く読んで下さい。






 まず紅茶を冷たく冷やしてアイスティーにして飲む文化が始まったのは、そう古い時代の事ではありません。わずか110年ほど昔のアメリカ・セントルイスでの出来事がキッカケなんです。


 1904年、アメリカ・セントルイスで開催されていた万国博覧会。

 そこでリチャードという人がインド紅茶の販売をしていました。

 しかし折しも時期は真夏の炎天下。熱い紅茶など、誰も見向きしてくれません。

「あっちーなー。ったくよー。紅茶なんて誰も飲んでくんねーじゃねーかー」


 そんな感じでしたが、周りを見てみるといわゆる『クラックドアイス(ぶっかき氷)』が。

「…。これ、氷を入れたら冷たくなって、売れんじゃね? いいや、入れちまえ!」

 ドボンドボンドボン

「冷たい紅茶はいかがッスかー!」


 という「やけっぱち」な行動がキッカケとなり、アイスティーは瞬く間に売れ、好評になってアメリカ全土に広まり、そして現在では全世界で飲まれるようになったというわけです。


 今では氷に紅茶を注いで冷やす『オンザロック』という方法以外にも、

 水でゆっくり時間をかけて抽出する『水出し』

 濃い目に淹れた紅茶を水で薄める方法

 濃い目に淹れた紅茶を一端氷で冷やしてから氷を取り除き、改めて氷の入ったグラスに注ぐ『二度取り』

 といった様々な方法が開発され、サッパリとした味わいを皆様に届けている訳です。


 皆様もアイスティーを召し上がる時には、ちょっと過去の「やけっぱち」を思い出しつつ、召し上がってみて下さいませ。

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