紅茶というモノについてのコラム

第10話 紅茶と食べ物のマリアージュ(食べ合わせ)

　今回は、以前のコラムにコメントがありましたので、食べ物と紅茶の相性『マリアージュ』について書いて行きます。

　また長くなりそうですので、お暇な時にご覧下さいませ。

　大概の食べ物と紅茶・お茶は相性が良いのですが、その中でも特に相性が良いモノはあります。その傾向を、ザックリと書いて行きます。

　まず相性を合わせるひとつの方法には、『紅茶・お茶と食べ物の向きを合わせる』というモノがあります。

　どういうことかと言うと、例えば紅茶のアッサムなら、香りとしては『焦がした糖蜜』のような香りの印象がありますので、『焼いた香り』のクッキーは良い相性になります。

　柑橘の香りを付けたアールグレイなら、柑橘をふんだんに使ったフルーツタルトは良い組み合わせになるでしょう。

　このように、香りや味で似たようなモノを合わせるのが、マリアージュの定石なんだそうです。

　相性を合わせるもうひとつの方法として、全く正反対なモノを合わせるというモノもあります。

　鉄板な例として、『ようかんに煎茶』があります。これは香りも味も全く正反対で対比に差があるからこそ、美味しく感じるとのことです。

　また、紅茶のタンニンは舌についた油分を洗い流す作用があるそうなので、焼き肉に『少しぬるめの紅茶』を合わせる、というのもあります。これは、私の師匠から教えてもらった事です。なかなか口の中がスッキリしますよ。

　このように、様々な食べ物と相性の良い紅茶・お茶ですが、そこから一歩踏み込んで、紅茶の持つニュアンスを調べて食べ物との相性を探ると、さらに美味しい口福(こうふく)なマリアージュとなるでしょう。

　皆様も是非お試し下さい。