第6話 紅茶の日
紅茶に関するコラム、またちょっと書いてみたいと思います。
今回は『紅茶の日』について。「なぜ紅茶の日が決まっているの?」という疑問にお答えしようかと。
まず、11月1日が紅茶の日と制定されている理由ですが、記録に残っている一番古い『日本人が紅茶のお茶会に招かれた』日だからなんですね。
そのお茶会に招かれた日本人というのが、『大黒屋光太夫(だいこくやこうだゆう)』。江戸時代の船頭さんで、様々な商品を輸送する船に乗っていたそうです。
その光太夫さん、1782年の12月に嵐に会って遭難。流れ流れて漂流し、今のアリューシャン列島(ロシア領)に漂着します。で、当日の日本は鎖国してますから、帰るに帰れない。そこで、シベリアを横断して当時のサンクトペテルブルグに行き、ロシア皇帝エカテリーナ2世に直接謁見して直談判する訳です。
エカテリーナ2世はそれを承認し、帰れる手続きをしてくれます。で、帰り際にお茶会を催して光太夫に紅茶をご馳走した、と。それが1791年11月1日だった訳です。
そして光太夫は帰れた訳ですが、遭難した時の乗組員17名は、厳しい自然に倒れたり諦めて帰化したりして、日本に帰れたのは光太夫と他2名だったとの事。相当過酷だったようです。
で、それを調べた日本紅茶協会が、「じゃあ、11月1日を『紅茶の日』にしましょうや」、って事で、紅茶の日が本日になった訳なんですね。
そしてこの日は、色々な紅茶専門店でイベントが開催されたり記念品が配られたりしてますので、お近くにそういうお店がある方は、是非立ち寄ってみて下さい。
遠い時代に思いを馳せて、一服の紅茶を頂く。そんな時も良いかと。
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