第5話 ダージリンとは

 今回のコラムでは、ダージリンにスポットを当ててみます。紅茶=ダージリンと言うほど定番なのに、ダージリンってなんなのか詳しくわからないって方々もおられるかと。そちらを紐解いてみます。


 以前のコラム『紅茶とは?』でも触れましたが、ダージリンとは紅茶の産地の地名で、インドの北東部の山岳地帯の一地域なんです。そこで生産された紅茶なので、地名のダージリンが付いている訳です。日本で言う『宇治茶』や『狭山茶』といった感じです。


 ダージリンは山岳地帯ですので、インドの中でも比較的気温が低く穏やかで、イギリスの植民地時代は避暑地として発展していたそうです。現在では観光地として、当時の面影の残る建物とかを見られるそうです。


 そんなダージリンで作られるダージリンティー。なぜそんなに有名かと言うと、ともかく香りが良いんですね。世界三大紅茶のひとつとして上げられるほどで、香りはマスカットやスズランの花に例えられる『マスカテルフレーバー』が特徴。


 それと、収穫時期によって風味が違ってまして、紅茶好きの間でも意見が別れるほど。「やっぱり春が~」とか「夏のが鉄板で~」とか、そこは様々。

 ザッと特徴を上げますと、


●春摘み(ファーストフラッシュ)

 3月中旬~4月あたりに収穫される紅茶で、日本には5月の連休あたりに入荷されます。

 青みを残して製茶された春摘み紅茶は、花のような香りとともに緑茶っぽさも兼ね備えた、爽やかな香り。そしてちょっと渋めでコクはかなり軽め。


●夏摘み(セカンドフラッシュ)

 6月~8月あたりに収穫され、日本には9月の連休あたりに入荷する紅茶。

 一番紅茶らしい紅茶で、青みは取れてダージリン特有のマスカテルフレーバーが感じられます。渋みはこなれて穏やかになります。


●秋摘み(オータムナル)

 10月~11月あたりまで収穫され、日本にはクリスマス時期の前あたりに入荷されます。

 香りも味わいもおとなしく丸くなり、代わりにコクが少し出てきます。

 紅茶マニアの間では、オータムナルの方が一番好きという方も結構おられます。


 と言った感じで、ダージリンといっても生産時期によって、これだけの違いが出てきます。なお、普通に売られている紅茶メーカーのダージリンは、これら春・夏・秋をほど良いバランスでブレンドしたものがほとんどです。


 最近は、ダージリンとひとくくりにせず、ダージリンの○○茶園の春摘みと言った、『茶園・時期まで細かく細分化した』ダージリンが人気ですね。


 そういった美味しいダージリンを、是非召し上がって頂きたい。きっと驚くと思いますよ。

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