コギトの夢
「っ!」
床に寝袋を敷いて寝ていたコギトは、目を見開いて、上体を起こした。キョロキョロと辺りを見渡すと、部屋の中は真っ暗だった。窓から入る月明かりだけが頼りだった。
「………」
コギトは、立ち上がって右を見た。ロブとハナとアニーが、やや狭そうに並んでベッドに寝ていた。
「……また、あの夢……」
コギトは頭を抱えた。声は、震えていた。
コギトの脳裏に、夢の中で見た掠れた映像が甦った。
数十人規模の盗賊に囲まれる映像。
盗賊達をコギトが滅多斬りにしていく、一人称の映像。
その跡には、死体の山と凄まじい血溜まりが残った。
「―――――――――――――――――っ!」
コギトは、無音の悲鳴を上げた。
「っふう、ふう、ふう、ふう、ふう……。」
コギトは、叫ぶだけ叫ぶと、息を整えて、
「……あの人達も、承知でやって来たのはわかってるのに……、駄目だなあ、私は。……ナイフと鉈でも研ぐか」
コギトはそう言うと、ナイフと鉈を研ぐ準備に入った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます