黒雲の行く先

 「あー、いたた……。幾ら何でもあんまりだよ、PSIテレポート……」

 額を抑えながら、コギトはぼやいた。

 「大丈夫なの……?」

 ロブがコギトに聞いた。

 「あー、うん。大丈夫。ライフアップを使わなくていいくらいには大丈夫」

 コギトは、手を軽く振りながら言った。

 「本当に……?」

 「うん」

 「あっ、そういえば、黒雲のような影って、どこに向かったんですか?」

 コギトが少女に聞いた。

 「ああ、その事なんですけど……」

 少女の表情が曇った。

 「ひょっとして、見ていないんですか?」

 ハナが聞いた。

 「いや……、それがね、ここから、湿地帯を抜けた所にある、ンイタンレバって国から東に行ったところにある、トッダっていう、神聖な山に向かったの」

 「トッダ山……」

 ロブが呟いて、

 「じゃあ、次の目的地は……」

 ハナがコギトを見て、

 「……うん。まずは、ンイタンレバ、だね」

 コギトが、頷きながら言った。

 この日は、この宿屋に泊まった。

                 ―続く―

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