第6話

きりんは一旦、ストラップに戻り、 みきりんは、スタッフにレコーディングの用意をしてもらって、また外に出てもらった。スタッフはさすがに勝手に録音するのはと渋ったが、みきりんが赤井Pにラインを送り、速攻で返ってきた「よろしくやって。」の返事を見せると即効で去って行った。


じょんれのんとみきりん、かれんの霊がレコーディング室に入った。


彼女が選んだ曲は、Carpentersの「I need to be in love(青春の輝き)」だった。オーデションで歌う積もりだった曲だった。


いつの間にか、カーディガンの袖を首から掛けるディレクターファッションになってるきりんが声をかけた。


「さあ、一回しかないからね。一発OKで頼むよ。」


じょんれのんのギターが鳴り、かれんの最後の歌声がレコーディングスタジオに響いた。ビルの外のムクドリは静かに首を下に向けてその場に留まっていた。まるで何か聞き逃してはいけない何かを聴いているように。


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