第7話「まじで切り捨てる5秒まえ。」

かくして、瞬は童貞を中2で捨てた。

そして、マリとがんがんやりまくった。


マリの気持ちなどお構いなしに、家でも、学校でも元気な時は、本当に猿だった。放課後になったらすぐマリに会いにいって、主に視聴覚室を舞台にした。

 普通にやるのに飽きたときはマックのトイレとか、プリクラの中とか使ったこともあった。意外にマリもそこまで抵抗しなかったというのもあるが、よく考えればそういう貞操観念あるような女じゃないかと瞬は思った。


 そして、初めの一ヶ月位は、約束通り十万をかけたジャンケンをしていたが、きづけばマリはジャンケンの話をしなくなっていった。


 まわりは瞬は先輩と付き合ってる噂していたし、友達にもそう言われたが、本人にそのつもりはなかった。彼にとってはただ、性欲のはけ口として利用していたにすぎなかったのだ。


3ヶ月たった夏のころにはもう飽きていた。


「わたしね、援交するのやめたんだ。むしろなんでやってたかわかんないし。マー君のおかげだと思う。私のためにあのとき、あんな提案してくれたんだよね。」

とある日突然いわれた。


 その時初めて、そうかこの女は俺に恋心を抱き始めたのかと気づいたが、しかし、瞬にはもうどうでもいい女だった。なんとなく、関係を続けるのがめんどくさかった。


「お前とさ、最近ジャンケンしてないよな」


「えっ、だって、もうそんなことしなくていいじゃない。」


「やろうぜ、ジャンケン」


ふたりはジャンケンをした。


初めてマリが勝った。


そう瞬は戻さなかったのだ。


「十万だ。いままですまなかったな。」

十万をその場に置いて、瞬は立ち去ろうとした。

「い、いらない。お金なんていらないょお!」

マリは叫んだ。そして、その場に座り込み泣き出してしまった。


しかし、瞬は足をとめずにその場を立ち去った。



次の日から学校でマリをみかけることはなかった。

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