第5話「まじで賭けする5秒まえ」

 瞬は2年になるとさすがにサドンキスにも飽きてきた。ファーストのキスの相手のカナには3回位試したが、反応がいつも同じなので、(1回位受け入れパターンがないかと期待したのだが。)それもどうでもよかった。

 いまはセックスしてみたい思いが最もかれを強く動かす衝動だった。


 それはそうと、2年になった彼は金の羽振りが良くなった。友達との賭じゃんけんをするようになっていったからだ。

 もちろん彼は負けることなどない。負けたら巻きもどせば、いいだけだからだ。


 しかし、彼は頭が悪いわりには、こういう行動に関して、人の気持ちを掌握していた。

単純に勝とうとするのではなく、自分の負けがある程度たまるまで勝負を繰り返す。

 そしてラスト1回を強調して、賭け金を一気に引き上げて必ず勝つという作戦をとっていた。あまりに勝ちすぎると勝負相手がいなくなるので、賭け金が低いときには負けることもした。

 そうして、逆転の瞬、まくりの瞬、勝負師の瞬といろいろなあだ名でよばれるようになっていき、夏には20万ほどの勝ち分がたまっていた。そんな彼の周りにはすっかり悪い仲間が集まるようになった。

 悪い奴らがあつまると、色々な噂が耳に入るようになってきた。

 そのなかで、どうも中3のマリって女はいわゆる援交をしているという噂があった。瞬にはも見覚えがあった、確かに少し大人っぽい雰囲気があるがそんなやばそうことをしてるふうにはみえなかった。

 飛びぬけて可愛いと言うこともなかったが、中3にしてはスタイルが良いように見えたし、自分の初めての相手としては十分だった。この機会を逃すわけにはいかない、瞬はそう思った。



 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る