第3話「まじでキスする5秒まえ」

瞬は低脳なうえにゲスな男である。


この能力をすぐに自慢しようと思った。

しかし、悪知恵だけは働くこの男はそれを思いとどまった。

 ばらしてしまったら台無しだ。この能力は黙ってるからこそ価値があると、彼は気づいたのだ。


そうそして、彼は中一らしくとてもエロに興味があった。エロイことにしか興味が無いといっても過言ではないくらいだった。

 そんな彼が思いついたのはすごいゲスなこうどうだった。

 手始めはクラスで1番可愛いと評判の、カナだ。

 この能力に気づいて一週間後彼は妄想を実行にうつした。


 放課後、カナと瞬がすれ違う時があった。


その瞬間、瞬はカナに抱きついて、自由をうばい、そして同時に顔を近づけてかなり強引に唇をうばった。しかも、舌を強引に口の中にねじこむということまで敢行した。

 瞬にとってのあまりにも卑劣なファーストキスだ。

 かなはあまりの突然の出来事になすすべがなかった。まわりもいったいなにが起きたのか分からないようだった。

 瞬が体のホールドを少し緩めたので、かなは叫び声をあげようと思ったが、その機会は訪れなかった。

 

時は戻った。


ふたりは、何事もなかったかのようにすれ違ったのだった。


瞬はこの時おもった。


「街中の可愛い女の唇を全部奪ってやる。」と。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る