第肆夜 幽霊トンネル
私の地元は、周辺地域を含め様々な心霊スポットがある。
その昔、A監獄と呼ばれる監獄があった。
そこに投獄されていた囚人たちは政治犯…当時の政治に批判的、反政府的な思想・運動をしていた者が多数を占めていた。
開拓途上の蝦夷地は、木々が生い茂り野生動物が跋扈(ばっこ)しているようなそんな土地だった。
開拓民はまばらで十分な労力委は達しておらずA監獄の囚人たちは開拓に駆り出されていた。
労働環境は劣悪で、囚人たちは満足に休息も取れない。所謂タコ部屋労働である。
彼らが開拓の上で掘らされていたトンネルが、今もなお残っている。ここでは、仮にJトンネルと呼ぶ。
このトンネルは、元は鉄道が通っていたが今は使われていない。
なぜ、このトンネルが使われなくなったのか?
それは、出るからだ。
劣悪なタコ部屋労働下、怪我や病気は絶えなかっただろう。
怪我や病気で動けなくなった者は、容赦なく切り捨てられた。
トンネルの壁に塗りこめられた者、道端に埋められた者…。
「人柱」として埋められた、と噂が今もある。
Jトンネルでは、今でも人骨が発見されるという…。
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